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書評「日本トンデモ人物伝」原田実、文芸社

 最近のブームで歴史マニアが増えているが、「酒井勝軍」や「武智鉄二」などの名前を聞いて、その業績を説明できる人はなかなかいないはず。しかし、オカルト界の歴史を語る上では欠かせない存在なのだ。そんなオカルト人物史をユーモアたっぷりに紹介するのが本書。

 明治、大正時代に木村鷹太郎という学者がいた。江戸時代までの日本史は、地中海方面にいた日本民族が日本列島にたどりつくまでの過程なのだという大胆な説を提唱する。

 なぜならば地中海周辺のイタリア人の口癖は「ブラボー」、江戸っ子の口癖は「べらぼー」。似ていることを指摘する。笑ってしまうが、ただおちょくるのではなく、その人間的魅力についても本書は言及している。
 オカルトにも歴史あり。忘れさられている先人の情熱をぜひ記憶にとどめてもらいたい。(税別1500円)

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