とうとうチェルノブイリ事故と同じレベルまで悪化してしまったわけだが、散々マスコミやネットでの記述に関して、「政府発表と違う内容を記載するな!」と圧力を匂わせた菅内閣そのものが事故に対する事態掌握が出来てなかった事が露呈した。これでは、どっちがデマを流していたホラ吹きなのか、わからなくなる。国を滅ぼしかけている愚将・菅直人の罪状は、今後国民の総意にて、何らかの形で裁かれるべきである。また、統一地方選挙が終わった後でのレベル7引き上げは、菅内閣へ対する不信感を増大させている。
また、福島県の佐藤雄平知事の動きが不可解である。東京電力の社長に対して会うことを拒否したり、東電や国に対して露骨に怒りをあらわにしている。何故、彼が被害者のような態度をとるのか、大部分の国民は理解出来ない。原発推進派だった叔父である渡部恒三衆議院議員(民主党)の秘書を永く務め、知事に立候補し当選したわけだが、彼は地方自治体のトップとして、2010年8月6日、福島第一原発3号機におけるプルサーマルの実施を了承している。トップとしての判断ミスが問われても仕方ない。
菅直人が国のトップとしての責任を問われ、東電の会長、社長など経営陣の責任追求がなされていく中、県民の安全を守るための責務が求められる地方自治体のトップである佐藤知事は、被害者ではない。彼は福島県民の安全を確保すべき責任者である。その安全が自らが導入を認めたプルサーマルの事故によって損なわれたのだから、事態が収拾後、行政のトップらしく潔く責任をとるべきである。たまたま自分の在任中に起こった事故だと弁明するかもしれないが、トップとはこういう非常事態に責任をとるのが仕事である。これは行政機関でも、民間企業でも関係ない。
この各自治体における首長の責任は、原発が設置された全ての自治体の首長にも適応すべきだと思われる。彼らは自治体の構成員を守るために、原発の安全チェックを実施したのか。
今回のような巨大地震が発生した場合、原発に事故が発生しうる事が明確にわかった以上、各自治体の首長が自分のエリアの原発に対して、どういうアクションを起こしているのか、確認すべきである。少なくとも安全基準の見直しや、非常事態における対応訓練のシミュレーションの再構築は最低限の事である。出来ればスーパー堤防の設置、地元電力会社ではなく海外技術者による第三者チェックの定期実施は急務であろう。
これらの責務を行わない首長がいた場合、その職務怠慢を追求するのが、有権者の責任であり、マスコミの責任である。長い年月のかかる原発の縮小・停止に向けて、今なずべき事をやるべきである。
(山口敏太郎)