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意外な職場も! 手当は公務員並、倒産の心配なし? 在日米軍で働く日本人の実態

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 在日米軍が多く駐留し、辺野古基地移設問題で揺れる沖縄県。辺野古問題を問う県民投票の結果、圧倒的に埋め立て反対の票が多く集まり、「沖縄だけに米軍基地負担を押し付けるな」という県民の声が連日のように報道されている。

 そんな”逆風”の強い在日アメリカ軍だが、軍を持たない日本の国防面で、なくてはならない存在であるのもまた事実。そんな在日米軍で働いている日本人が存在するという。採用条件や雇用後の待遇はどういったものなのだろうか。

 在日米陸軍の求人サイト「独立行政法人 駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」によると、契約は日米両国政府間で締結した基本労務契約”Master Labor Contract”(MLC)と、諸機関労務契約”Indirect Hire Agreement”(IHA)に大別される。MLCは米軍の歳出予算で運営。在日米軍の業務に従事する事務職、技術、技能職、警備、消防などの基地運営に直接携わる従業員だ。一方、IHAは米軍の歳出予算とは独立した歳出外予算で運営する機関(ゴルフ場、ボーリング場、クラブなど)のレクリエーションやレストランなどの業務に従事する従業員をさすとある。

 選考は一般的な日本企業と同様だ。履歴書などの必要書類を提出。その後、面接による口頭試験のほか筆記・技能試験が行われる場合もある。この選考に通れば晴れて採用という流れだ。

 先述の在日米陸軍の求人サイト「エルモ」の調査によると、平成29年11月末時点では、正社員として働く日本人従業員数は横須賀海軍施設やキャンプ座間のある神奈川県が一番多く9155人、続いて沖縄の9002人。意外にも横田基地を擁する東京都が3番目の2653人となっている。

 正社員として採用されると、雇用の待遇は国家公務員に準じており、安定している。給与は職により異なるが、英語が堪能な専門職の事務職であれば、初任給は約38万円。特別な資格や英語力が必要ない草刈りや掃除業務ならば、初任給15万円程度とさまざまだ。その他、ボーナスは年に2回、年間約4.4ヶ月分が支給される。手当も住居、通勤、扶養など国家公務員と同様に支給されるため、充実している。また、日本政府が雇用主であるから倒産の心配は、まずない。

 どちらも雇用主は日本政府、使用者は米軍という二重構造で、従業員の募集や給与の支払いは日本政府が行うが、採用や解雇など、使用上の権限は米軍が握っている。

 沖縄ばかりがクローズアップされるが、米軍施設は全国にある。青森の三沢飛行場、日本海にレーダーを配する青森車力や、京都経ヶ岬、広島や山口にも飛行場や弾薬庫、長崎には佐世保海軍施設がある。東京にも横田基地以外に、赤坂にプレスセンター、麻布にホテルと、基地以外でも働くことが可能だ。

 通常は、土日が休みで一日8時間労働。基本的に残業は認められていないが、例外的に残業がある場合は時給換算して135%分を支給する。祝日はアメリカの暦通りとなる。つまり日本のゴールデンウィークは勤務日となり、7月4日のアメリカ独立記念日などが休みとなる。有給休暇は年間160時間(約20日)で、1時間単位で利用可能。夏期休暇は連続した3日間が与えられる。アメリカ文化の職場のため、休暇は積極的に使うことが普通だという。アメリカ人上司が長期休暇を取ることも日常的なため、有給休暇消化率は100%に限りなく近い。

 ちなみにキャンプ座間などには、バーガーキングやポパイチキンなど、アメリカの有名ファストフードチェーンの直営店が入っており、本場の味が堪能できる。

 アメリカに興味があり、英語が堪能、または覚えたい人には悪くない職場環境ではなかろうか。興味のある方は”LMO”(エルモ)で検索してほしい。もちろん日本語サイトなのでご安心を。

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