まずメリットは、入学式の時点で既に友達になっている相手もおり、中学入学時のような不安感がないことだ。実際に会っている“リア友“ではなくても、Twitterでつながっているので、「あっ!○○ちゃん!よろしく〜」などと、"はじめまして"のあいさつの距離感が近いのだという。
LINE交換も済ませグループLINEを活用している生徒も多く、中学を卒業してからの長い休みの間にディズニーランドなどに“入学旅行“をして、一足先に仲良くなっているグループも存在しているというのだから驚きだ。
デメリットもある。SNSで入学前につながっていない生徒は、友達作りに一歩遅れてしまう。いわゆる“スクールカースト“というクラスのヒエラルキー(組織構造)の中で、早くも下位層になってしまう状況も見受けられるというのだ。
また過去の投稿も見ることが可能であるため、いわゆる“黒歴史“を発掘されてしまう生徒もいるとのことだ。イジメのキッカケが、こんなところに潜んでいるケースもあるというのだから恐ろしい。
他にも少数ながらも、顔出しをしているなど個人を確定できるアカウントの場合は、出会いを求めている輩が女子高校生になりすましている場合も。同性だと思って実際に会ってみると、相手が男だったと発覚した悪質なケースも実際にあったという。複数の友達と待ち合わせ場所に行ったためか相手は現れず、そのアカウントはすぐに削除されていたというから、注意が必要だ。
このトレンドは、大学入学の際も盛んになるそう。今後のスタンダードになっていく可能性は高いと思われる。“インターネットネイティブ“世代は、出会いを求める男の刃に引っかかる危険性もあるツールで人とつながっていくことに抵抗がないようだ。
おじさん世代にとってはおごそかな入学式の緊張感やドキドキも、いい思い出となっているのだが、そんな昔話をしたところでいまのJKには「ゴメン。意味分かんない」と言われるのが関の山のようだ。
文 / 萩原 孝弘