そのメリットについて、東京都内の某石材店によると、「新規霊園の最大のメリットは、区画(場所)が選べる点です。どうしても、古くからある霊園だと、空き区画に限りがあり、なかなか選べません。霊園は広いですから、やはり管理事務所や参道に近いところが便利なわけですが、奥の区画しか残っていないことも多いのです。そうなると、かなり歩かなければならなくなりますし、分かりづらい場所しか残っていないというケースもあります。好きな場所が選べる新規霊園は、その点では魅力です」と話す。
確かに、お墓参りをする際、我が家の墓が奥の区画にあれば、たどり着くまで難儀だし、分かりづらい場所にあれば、探すのだけでも一苦労だったりするわけです。
また、前述の石材店は「新規開園の霊園は新しい発想で、つくっている例も少なくありませんので、バリアフリーに対応しているケースも多いです。お墓参りは高齢な方や、車イスを利用されている方が行かれることが多いので、段差のないバリアフリー設計の霊園は、そういった方にとっては助かるので、その点でも好評です」と話す。
既存の霊園でも、新しい区画をつくって販売するケースもあり、その場合は好きな場所を選ぶこともできますが、その新しい区画が利便性の高い場所にあるとは限らない。
新規開園の霊園は、施設が充実していたり、駅からのアクセスが至便だったり、ペットと一緒に入れたりするケースも多く、そのメリットは少なくない。
むろん、既存の霊園にも良い点は多々あり、新規霊園がいいとは一概にいえないが、霊園選びをするにあたって、選択肢のひとつにするのもいいだろう。
(山本 生道)