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離れている高齢の親が心配 万が一に備えた「見守りサービス」って何?

 離れて暮らす親が高齢になると、その安否が心配になってくる。ましてや、親が遠方に住んでいると、そうそう様子を見に行くことはできない。同居であっても、家を空けた際、その面倒を見る家族がいなければ、その身を案じることになる。

 高齢の親の“終活”を考えた際、万が一の時に備えた「見守りサービス」というものがあるのをご存じだろうか?

 「見守りサービス」とは、家族の暮らしぶりを、そっと見守る安否確認システムで、意外にさまざまな業種の企業がサービスを提供している。

 このサービスのメリットは、家族と一緒にいなくても、無事に生活しているかどうかを確認できる点にある。

 たとえば、某ガス会社が提供する「見守りサービス」では、24時間監視センターが「見守られる方」の自宅のガスの使われ方から、食事の支度や入浴などの状況を確認。「見守る方」は、それを携帯電話にメール配信される利用状況や、ホームページで照会することができる。つまり、正常に利用されていれば元気な証しで、長時間利用がなかった時は、何かが起きた可能性が想定され、電話などで安否の確認をするきっかけとなるわけだ。料金は月額約1000円と、お手ごろだ。ただ、これはすべてのガス会社が提供しているものではないため、全国に対応はしていない。

 全国対応となると、大手魔法瓶メーカーが提供する「見守りサービス」がある。これは、「見守られる方」宅に、メーカーが制作した無線通信機を内蔵した電子ポットを設置。電源を入れたり、保温中、給湯した時などの状況をシステムセンターが把握し、「見守る方」の携帯電話にメール配信する。ホームページでの照会も可能。「おでかけ」ボタンを押せば、外出を知らせることができる。NTTドコモのFOMA(無線通信回線)が通じるエリアなら利用可能で、ほぼ全国対応。月額利用料は約3000円だ。

 これらは、単に生活状況を知らせてくれるものだが、何かあった時に対応してくれるのが、大手警備会社が運営する「見守りサービス」だ。これは、トイレなどにセンサーを設置し、日常の動作を感知するもの。

 初期設置工事費は割高だが、警備会社の提供サービスの場合、緊急時にボタンを押せば、警備員が駆け付けてくれる。月額料金は5000円前後で、それほど高くはないが、当初長期契約が必要となるため要注意。

 「見守りサービス」を提供する某警備会社によると、「高齢化社会が進むなかで、親が子どもと離れて暮らしている家庭が多くなっています。特に高齢の親が持病を抱えていたり、日常生活に支障があったりする場合、子どもさんから申し込まれるケースが多いです。また、同居でも、子どもさんの留守中に何かあると困るので、そういった方からの依頼も増えています。今後、我々が果たす役割は大きくなると考えています。ホームセキュリティというと、『高い』というイメージがありますが、高齢者向けの『見守りサービス』は、決して、高いとは思っていません」と言う。

 親が遠方で、高齢者だけで住んでいる場合、家族も心配で仕方がない。ましてや、単身だったら、孤独死の危険性だってある。「安心を買う」と思えば、「見守りサービス」は必要なものかもしれない。

(山本 生道)

*写真イメージ

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