たとえば、光GENJIに代表されるように、光(内海光司、大沢樹生)とGENJI(諸星和己、佐藤寛之、山本淳一、赤坂晃、佐藤敦啓=現・アツヒロ)という2つのチームが合体して、誕生したパターンもある。V6も、これにあたる。対して、メンバーの名字の頭文字を取るというものもある。昭和のアイドル全盛期をけん引したたのきんトリオが、その典型例だ。
「た」は田原俊彦、「の」は野村義男、「きん」は近藤真彦。頭文字を取るオーソドックススタイルの、先駆けだ。このパターンを継承して、今なお残っているのがKAT-TUN。
結成時、「K」が亀梨和也、「A」は赤西仁(脱退)、「T」は田中聖(同)、「T」は田口淳之介(同)、「U」は上田竜也、「N」は中丸雄一だった。ところが、今年4月にはメンバーがスタート時の6人からちょうど半分の3人になるという、不測の事態に直面。現在は、活動休止に追い込まれている。そうすると当然、グループ命名の由来も崩れる。そこで講じた策が、「KA」で亀梨、「T-TU」で“「た」「つ」や・「う」えだ”という、かなり強引なもの。上田が、たった1人で3文字を担うことになった。
今年がデビュー5周年のKis-My-Ft2も、このパターン。「K」は北山宏光、「i」は飯田恭平(脱退)、「s」は千賀健永、「M」は宮田俊哉、「y」は横尾渉、「F」は藤ヶ谷太輔、「t」は玉森裕太、「2」が二階堂高嗣。こちらもKAT-TUN同様、飯田が抜けたあとの「i」は、北山が「Ki」で2文字を担うことになった。デビュー前に発表していたオリジナルソング『Kis-My-Calling!!』では、北山がしっかりその任を譲り受け、「ケイ、アイ!」と歌っている。ちなみに結成当初、「2」ではなく、「.」(ドット)。自己紹介のとき、二階堂は「.」のプレートを持たされていたが、その後「N」ではなく、メンバー唯一の数字に落ちついた。
ほかには、オヤジギャグといえなくもないグループもある。日本の中心である「東京」からTOKIO、全員が初の平成生まれだったことから「平成」のHey!Say!JUMP、初の近畿出身であることから「近畿」のKinKi Kidsなどが、それに該当。KinKiはその昔、関西から「KANZAI BOYA」(関西坊や)と呼ばれていた時期もあった。「さ」を、「SA」ではなく「ZA」にしたあたりを、ジャニーさん本人は気に入っていたという。
既存の言葉をそのままグループ名にした「嵐」には、“芸能界に嵐を巻き起こす”という願いが込められている。正式決定の際、候補に「?(クエスチョンズ)」や「Five」が挙がったという。ちなみに、クエスチョンズはその後、ほかのメンバーで楽器を弾けるグループとして誕生している。しかし、花が開くことなく、ひっそり解散に追い込まれている。嵐は最終的に、五十音順の最初が「あ」で、アルファベットの最初が「A」であることから、“1番になる”という意味も含めて、つけられた。
この狙いは見事にヒット。当のメンバー5人はまったくノリ気ではなかったようだが、“ジャニーズ帝国の父”はさすが、先見の明があったようだ。
*写真はジャニーズ募金会場の様子