88年に結成、91年元旦には、まだデビューしていないにもかかわらず、東京・日本武道館で初ライブを開催している。そのおよそ8か月後の9月に、『Can't Stop!! LOVING』でCDデビュー。ここでもまた、デビューシングルがオリコンのヒットチャートランキングで第1位にならないという、ジャニーズ事務所初の不名誉な記録を作ることになる。
しかし、SMAPはライブでのし上がったグループ。3年後の94年元旦には、史上初となる1日6公演を完走。思い出が詰まる日本武道館で、朝の9時半から20時45分まで、ステージに立ち続けたのだ。
そして98年、初のミリオンヒットとなった『夜空ノムコウ』(162万枚)を皮切りに、00年の『らいおんハート』(156万枚)、03年の『世界に一つだけの花』(通算270万枚)と相次いでミリオンヒットを連発。その勝機を見逃すことなく、05年9月3&4日、東京・国立競技場で同競技場史上初となる単独コンサートを実施した。
驚くのは同年、北海道、福岡、大阪、愛知、東京のドームをツアーで周ったうえ、神奈川・日産スタジアムも成功させるという、史上初の5大ドーム+スタジアムツアーを大成功させた点だ。もちろん、この好記録は、現在日本でもっともチケットが取れない単独公演といわれている嵐でさえ、達成していない。
この運命の05年で、日本人アーティストの記録を次々と塗り替えたことが功を奏し、10年の『SMAP CONCERT TOUR』(東京ドーム)では、日本人史上初のコンサート通算観客動員数1,000万人を達成。エンターテイナーの最高峰に輝いた。
SMAPとしての活動は、12月31日まで。そうなれば当然、“紅白歌合戦”の出場が期待されるが、現時点では未定。今年はグループ活動がないに等しいため、見送られる可能性が高いが、SMAPと“紅白”もまた「初」に縁が深い。
05年、アイドルグループとして初めて、トリを飾るという大役を担っている。さらに、92年には『雪が降ってきた』でトップバッターも務めており、“紅白”でトップとトリの両方を務めた最初の歌手である。計り知れない記録を生みつづけ、人の心に棲みつづけたSMAP。その終焉が、マネージャーの解雇、木村の造反、修復不可能になろうとは、どんな敏腕演出家でも描けなかった。