14日に行われたセ・リーグクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦。ヤクルトを4‐0で下しファイナルステージ進出を決めた巨人は、エース・菅野智之が圧巻の投球を披露した。
9日阪神戦でのリリーフから中4日での先発登板となった菅野は、疲れをものともせず初回から6回までヤクルト打線を完全に制圧。一方の味方打線も長野久義(2回表/ソロ)、ケーシー・マギー(4回表/ソロ)、亀井善行(4回表/2ラン)が一発を放ち、4点の援護を菅野にプレゼントした。
7回裏2死から山田哲人に四球を与えたことにより、完全試合達成こそならなかった菅野。しかし、後続のウラディミール・バレンティンを空振り三振に仕留めると、その後は8回、9回共に“これまで通り”の3者凡退。「9回113球・無安打無失点・1四球・7奪三振」という投球内容で、見事に自身初、CS初のノーヒットノーランを達成した。
3年ぶりのファイナル進出がかかる大一番で、これ以上無いくらいの好投を見せた菅野。この活躍を受け、ネット上には「これぞエース!」、「惚れ惚れする内容だった」、「本当にすごいとしか言いようがない」といった称賛の声が数多く挙がっている。
7月27日(対中日)の山口俊に続き、今シーズン2人目のノーヒッターを輩出することとなった巨人。レギュラーシーズンとポストシーズンの違いこそあれど、1シーズンに2度の達成者が出たのは1966年の西鉄(田中勉/清俊彦)以来52年ぶりの快挙だ。
また、チームの歴史に絞るとさらに年月を遡り、1937年(沢村栄治/ヴィクトル・スタルヒン)以来81年ぶりの出来事ともなっている。“自身初、CS初”と前述した菅野の偉業は、“52年ぶり、81年ぶり”の快挙でもあった。
過去の歴史を掘り起こし、新たな歴史を紡いだ今夜の菅野。チームはこの勢いのまま、ファイナルで待ち受けるリーグ王者広島相手に“下剋上”を成し遂げることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人