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野球 松坂大輔 巨人入り急浮上

 右肩異変で2度目の故障者リスト(DL)入り。米メディアからバッシングを受けているレッドソックス・松坂大輔(28)に対し、日本球界の水面下で巨人入り情報が流れている。一時は西武ライオンズに逆戻りも噂されたが、どうやらボツになったようだ。度重なる右肩異変による戦線離脱は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が元凶と、フランコナ監督らレッドソックス首脳陣は激怒。日本代表が3連覇を目指す4年後の第3回WBCに2大会連続MVPの松坂が出場することは絶望的だろう。しかし、そんな危機を切り抜ける裏技が巨人入りだというのだ。

 「なにしろすべてはWBCから始まった。球速が本来のものまで戻っていないことは明らかだ」。フランコナ監督はWBCを元凶だと決めつけ、こうまくしたてる。「大リーグはWBCに参加できる選手は派遣すべきだとしていることは承知しているが、現実に我々は2年間で33勝以上している投手を故障で失っている。スプリングキャンプに参加しなかったほかの投手たちは、2イニングを投げることから(じっくり調整して)シーズンをスタートさせたが、松坂はそれをしないでシーズンに突入しようとした。とても困難なことだ」と。
 松坂本人はWBCとの関連を否定。前向きにとらえようとしている。「疲労の自覚はあった。それが検査で明らかになった。球団の判断でもあるし、このままではチームの足手まといになると思った。自分がさらにいい選手になるためのワンステップだととらえている」。

 だが、2012年まで契約のあるレッドソックスにいれば、4年後の13年に予定されている第3回WBC大会への出場は絶望的になる。日本代表連覇の原動力として、連続MVPに輝き、日の丸を背負って投げることに誇りを持っている松坂にすれば、球団側のドクターストップは我慢ならないことだろう。
 それでなくとも、キャンプでの投げ込み禁止、試合での球数制限などメジャー流が肌に合わず、松坂はメジャー3年目でフラストレーションが溜まっている。
 元日本人メジャーリーガーの1人は松坂の変調をこうズバリ診断している。「WBCの疲労が原因ではないと思う。投げ込み不足などメジャー流が合わずに心身共にストレスが溜まっている。首脳陣と話し合って日本流の調整を認めてもらい、松坂流で好きにやった方がいい。130球投げても最終回にその日の最速のストレートを投げられるのが松坂の持ち味なのだから。今のままでは真価が発揮できない」と。
 だが、レッドソックス首脳陣が松坂流を許可する可能性はまずないだろう。となれば、日本球界復帰が日本代表エースの座を守り抜く唯一の道になってくる。
 西武からポスティングでレッドソックス入りした松坂だが、60億円もの入札金が西武には入っており、義理は果たしている。日本球界復帰となれば、巨人が最有力になる。
 「プロ入りに際しては、横浜が意中の球団だと公言した松坂だが、実は本当に好きな球団は巨人だ。しかし、巨人は上原の逆指名を取り付けていたために、ドラフトで松坂を1位指名したくてもできなかった。そのために、松坂も意中の球団として巨人の名前を挙げるワケにはいかなかった。日本球界に復帰するなら長年の夢だった巨人しかないだろう」。西武関係者がこう明かす。
 巨人にとっても渡りに船だろう。WBCの日本ラウンドの主催者は読売新聞社で、主砲・イチローとエース・松坂が二枚看板で集客のビッグ2だ。松坂抜きのWBCなど考えられない。巨人・松坂が3連覇を目指す日本代表のエースとして3大会連続MVP獲りに挑むとなれば、イチロー以上のインパクトがある。松坂、巨人、双方にとって利害が見事に一致する。

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