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兄の身代わりに逮捕された妹!その衝撃の結末とは【背筋も凍る!女の事件簿】

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画像はイメージです

 これは昭和末期の1987年。千葉県の某所で発生した何とも居たたまれない「女の事件」である。

 1987年9月7日の夜。市内の高校から自宅へ帰る途中の男子高校生が信号無視をしてきた自家用車に跳ねられた。高校生と接触した自動車は、人を轢いたことがわかるや一目散に逃げ出し、結果、この高校生は脳挫傷のため、事故が発生したその日の晩に息絶えた。

 警察は轢き逃げ事件として捜査していたが、人気のない夜の轢き逃げ事件という事で犯人探しは困難を極めた。

 ところが事故翌日、一人の少女が泣きながら「私が轢きました」と自首してきた。少女はこの地域に住む19歳の無職の少女で、誰もいない夜道で人を轢いてしまい、怖くなり思わず逃げ出してしまったのだという。

 警察は少女に尋問を行ったが、どうも言っている事に矛盾が多く様子がおかしい。「本当に君が轢いたんだな」と強く問いただしたところ、少女は「本当は……」と正直に白状した。

 実際に高校生を轢いたのは、この少女ではなく彼女の4歳年上の兄だった。

 この家族は両親が働くことができず、兄が一家の大黒柱となり両親と妹の4人家族を支えていた。この日も早朝から夜まで働き通しであり、疲労と不注意から高校生を跳ねてしまったのだ。

 真っ青な顔をして帰宅した兄から轢き逃げの事実を聞き、妹は家族に黙って身代わりで警察に出頭することを決意。しかし、嘘はつけきれず、バレてしまったのだ。

 警察は本当の轢き逃げ犯である兄を迎えにいくため、兄妹の自宅へ。しかし、そこでは信じられない光景が広がっていた。

 なんと、兄は轢き逃げと妹が身代わりに警察に出頭したショックからか、誰もいないリビングで首つり自殺をしていたのだ。

 警察は、兄の突然の自殺に泣き叫ぶ妹を、犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪で改めて逮捕することにした。

 わずか一晩で、若い被害者と加害者が死亡してしまった本事件。あまりに切なすぎる幕切れを見せた「女の事件」であった。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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