今年は、昨年3位だったロッチが準決勝で敗退、13年度の王者・かもめんたるが2度目のキングをめざしてファイナルに進出、全10組のうち5組が初出場など、見どころが満載。ななまがり、だーりんずなど、ゴールデンタイムの生放送を初めて経験するコンビもいた。
1stステージは、466点の高得点を叩きだしたライスとジャングルポケットが、同点でトップ通過。初出場のかまいたち(3位)、タイムマシーン3号(4位)がそれに続き、前人未到の記録を狙うかもめんたるが5位に食い込み、ファイナルステージ進出の上位5組が出そろった。
そんななか、ライスは、「○○してくれーぃ!」というセリフが耳に残る1本目のネタ“命乞い”で、スタジオの空気を完全に支配。ファイナルのネタ“クレーム”でも勢いが衰えず、文句をつけようのない大爆笑をかっさらった。
勝利者インタビューで関町は、「(審査員のダウンタウン)松本(人志)さんが『くれーぃ』を使ってくれたので、流行語大賞もあるんじゃないか(笑)。(記事で)大きく取りあげてくれーぃ!」と、名フレーズで頼みこみ。今月が結婚記念日(4周年)にあたり、3歳の息子と1歳の娘のパパである。芥川賞作家のピース・又吉直樹にかねてからかわいがってもらっており、決勝前日にも「明日、がんばれよ」というLINEをもらっている。その文章のシンプルさに、「ほんとに芥川賞作家なのかなって思いました」とジョークを飛ばす。
そんな関町の愛息子が愛おしい田所は、「相方の息子にすぐ伝えたい。かわいい。デレデレなんで」とうれしそう。手にする優勝賞金(1人450万円)の使い道も、「相方の息子に、死ぬほどおもちゃを買ってやりたい」という。
ライスにとって本大会は、さまざまな縁が重なっていた。NSC時代も同じクラスだったライバル・しずると、1stステージの最後で点数争い。23点の大差で、念願の“しずる超え”を達成した。また、審査員のさまぁ〜ずとは同じ高校(東海大学高輪台高等学校=現:東海大学付属高輪台高等学校)で、「2人の卒業文集を読んでた」(関町)という。さらに、「9」づくしだった。NSC9期生の2人は、1回戦を7月9日、2回戦を8月9日に通過。9月9日に発表された決勝者進出記者会見では、9番目に名前を呼ばれた。そして、9回目のKOCで、9代目王者に輝いた。
夢にまで見た栄冠。遅咲きの狂い咲き。“日本一のコント王”ライスの猛攻が、今はじまろうとしている。(伊藤雅奈子)