同マラソンには多くの芸能人、著名人が参加したが、猫は2時間30分41秒で、そのなかのトップでゴール。猫の自己最高は昨年2月5日、「別府大分毎日マラソン」で出した2時間30分26秒。この日は風が強かっただけに、自己ベストと同等の記録は評価できるものだったが、レース後の猫はネガティブ発言の連発だった。
「これでは、(リオ五輪は)ダメでしょ」と、自己記録を更新できなかったのが、よほど悔しかった様子。返す刀で、「来年は『R-1グランプリ』優勝を目指します」と芸能活動に軸足を置く意向を示した。
実は先日の「R-1」にも出場したが、3回戦で敗退している猫。「去年はワイルド(スギちゃん)、今年はマイルド(三浦マイルド)、来年は身長がチャイルドの年にしたい」と宣言。当面は本業の芸人として、力を入れることを明言した。
その背景にはタイムが伸びていないことも、関係しているようだ。猫は08年の東京マラソンで初マラソンに臨み、以降、昨年以外は毎年、同マラソンに出場。走る度に自己記録を更新して、昨年2月の別府大分毎日マラソンで2時間30分26秒のタイムを出した。
いったんはロンドン五輪カンボジア代表に選ばれながら、国際陸連から「連続1年以上の居住実績がない」と判断され、五輪出場は露と消えた。その後、昨年10月21日、「ちばアクアラインマラソン」で9カ月ぶりのマラソンに挑んだが、海の上の強風の中を走るという悪条件化で、2時間35分52秒と平凡な記録だった。そして、今回のレースでは好タイムを出したが、1年間で自己記録を更新できなかったことで意気消沈。リオ五輪に関しては、「タイムが伸びたら考えたい」と慎重な姿勢。
猫が目安としているのは、自国のライバルであるヘム・ブンティン選手が、昨年4月15日のパリ・マラソンで出した2時間23分29秒だろう。芸能活動との両立で、タイムを7分縮めるのは至難の技ともいえる。とはいえ、リオ五輪まではまだ3年あり、当面はマラソンより本業優先で活動することになりそうだ。
(落合一郎)