「『クイズ悪魔のささやき』(TBS系)ですね。レギュラー放送は1994年から1996年に行われました。和田アキ子と古舘伊知郎が司会を務め、出演者のビンボーアピールによって賞金が獲得できる視聴者参加型のクイズ番組です。貧乏といっても単にお金がないばかりではなく、『1600万円貯金をしたけれども、遊ぶ金が欲しい』『女子プロレス選手の追っかけをしたい』といった身勝手な理由をあげる参加者もいました。そうした人物にビシッと説教を示すのが安斎さんの役割だったのです」(放送作家)
この番組は、まずは会場100人の参加者の投票によって獲得賞金が決定する。簡単なゲームやクイズに挑戦し賞金を獲得。その後100万円にチャレンジし、成功すれば獲得、失敗すると0円となる。100万円を逃した参加者にも的確なアドバイスを行った。
「アパートの住人に日本刀で斬りつけられるも、相手が死亡してしまい保険金が受け取れなかったビンボーさんが91万円を獲得し、そこでやめておけば良いものの、100万円にチャレンジし失敗。彼には『彼一流のユーモアなんだが、慎重に行こう』と的確なアドバイスを向けていました。一方で、就職したくないが金が欲しいといった生意気な態度で獲得賞金が0円だった参加者には、古館が『この男には安斎先生の相談を受ける権利もない』と切り捨て笑いにしていましたね」(前出・同)
まさに番組の要所を締める役割を安斎さんは担っていたといえるだろう。ご冥福をお祈りしたい。