麻生さんは1963年の『鉄腕アトム』、66年の『魔法使いサリー』など、テレビアニメの草創期から声優として活躍。1969年にスタートした『サザエさん』では、磯野フネ役を演じ、2015年まで務めあげた。二代目は寺内よりえさんが担当している。
『サザエさん』は今年10月で放送開始50年目を迎え、世界でもっとも長く放送されているテレビアニメとしてギネス世界記録も保持している。当然声優も高齢化しており、一部のキャラクターは二代目、三代目が担当している場合もある。サザエさんの声優事情をあらためて整理してみたい。
主人公のサザエさんは、加藤みどりさんが現在も担当している。加藤さんは1939年生まれ。今年で79歳となる。加藤さんはテレビ番組のナレーションなどは担当するも、声優活動は「サザエさん」以外に目立った活躍はない。これは起用時に当時のプロデューサーから、ほかの作品を降りるように言われたためである。加藤さんの声はイコールサザエさんでもあるのだ。
磯野波平役は、永井一郎さんが担当していたが2014年に死去したため、『ちびまる子ちゃん』の永沢君などでおなじみの茶風林さんが二代目を担当している。
マスオさんは近石真介さんが初代担当であったが1978年9月に降板。二代目は増岡弘さんが現在まで担当している。
カツオの初代声優は意外にも『ドラえもん』でもおなじみの大山のぶ代さんである。わずか3か月で自主降板し、二代目は高橋和枝さんが1998年まで務めた。現在は富永みーなさんが三代目だ。高橋さんは1999年3月に70歳で亡くなっている。
ワカメも歴代で3人の声優がいる。初代は山本嘉子さんで1976年3月まで担当。二代目の野村道子さんは2005年3月まで務め、現在は津村まことさんが担当している。
タラちゃんの声は、放送開始以来、貴家堂子さんが担当。『サザエさん』で声優交代がなされていないのは、サザエさんとタラちゃんとなる。長らくスポンサーを務めてきた東芝の降板により、一時は番組存続も危ぶまれたが、やはり国民的アニメであるだけに長く続いて欲しいものだ。