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バラエティ番組で出た“魂のひとこと”(42) 「けい動脈かぶりつくぞ!」(上島竜兵)

 “芸人育成飲み会”と呼ぶにふさわしい、○○軍などという組織。そのなかでも古参にあたるのが、ダチョウ倶楽部・上島竜兵率いる「竜兵会」だ。有吉弘行や土田晃之、劇団ひとりやデンジャラス、カンニング竹山など、ここから多くの話術の達人が巣立っていった。

 広報部長的な役割を担っているのは、土田。上島とはもう15年の付き合いで、11歳も年上。昔は、雲の上の存在だった。しかし今は、操り人形。主従関係は完全に、逆転している。

 そんなふたりが12日にオンエアされた『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)に出演。“付き添い人生相談”なるコーナーで、「うまく話を組み立てて話せるようになるには?」と、上島の相談を土田が代弁した。

 ちなみに上島は、芸歴30年の51歳。所属する太田プロダクションでダチョウは当然、芸人部門のトップだ。ところが、上島は出川哲朗や山崎邦正などと並んでリアクション芸人のイメージが色濃いため、若い女性からは嫌煙されがち。いわゆる“抱かれたくない芸人”だ。

 この日も、上島の発言や言動に、客席の女性から「え〜」という批判の声が幾度となく飛んだ。それにたいする上島の返答は、「けい動脈かぶりつくぞ!」。

 これは、ウケた。大先輩を子どものような視線で見守る土田も、思わず白い歯を見せた。すべらなかった上島は、安堵の表情を隠しきれなかった。後輩の相談に乗っているつもりが、いつしか上島が、「俺は今後どうしたらいい?」と逆に悩みを打ちあける。これが、竜兵会というものだ。

 毎日、新聞も本も雑誌も読む。好きな番組は『NHKスペシャル』。それでも、話す能力と伝える才能が身につかないのが、上島という男。だからみんなが、支えたくなるのだろう。(伊藤由華)

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