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中国けん制に本気? 英・独が東南アジアに軍事進出を検討

 再び王室旗「ユニオンジャック」が東南アジアにたなびくのか。英国がこの地域に海軍基地を設置する計画を進めている。候補は、英国がかつて植民地・保護領としていたシンガポールやブルネイだ。実現すれば、南シナ海の実効支配を進める中国に対抗する米国のアジア太平洋戦略(航行の自由作戦)を補完する前線基地となる。

 「ブルネイもしくはシンガポールに英海軍が基地を置けば、南シナ海南方・西方が手薄な米海軍を効果的に補完するものとなるでしょう。英海軍は、昨年後半だけでも8月に強襲揚陸艦『アルビオン』が日本に親善訪問した後に南シナ海で“航行の自由作戦”を行った他、12月23日にはフリゲート艦『アーガイル』などが日本の本州南方の太平洋で初の日米英共同訓練を行うなど、アジア太平洋地域で積極的な活動を展開しています。また2万2000トンの『HMSアルビオン』(空母)を派遣し、西砂諸島を通過するという行動にも出ています」(軍事ジャーナリスト)

 米軍に協力する立場での基地運営について米メディアは、「ワシントンに好意的に受け止められるのは間違いない」(CNN)、「アメリカは、イギリスの決定を喜ばなければならない」(ワシントン・エグザミナー)と評価している。フィリピンなど他の周辺諸国とともに南シナ海の領有権を主張する台湾も、「英国のアジア進出を歓迎している」(テレグラフ紙)と報じられている。

 「英国のアジア海軍基地建設には、経済的なもくろみもあるでしょう。英国は、世界第6位の武器輸出国(13〜17年)ですが、近年はEU域外への輸出の割合が増えており、ブレグジット(EU離脱問題)後には、アジア市場を狙ってくるとみられています」(同・ジャーナリスト)

 一方、独・メルケル政権が、南シナ海の“航行の自由作戦”に参加の姿勢に傾いたと米紙ポリティコが報じ、サウスチャイナモーニングポストも後追い記事を掲載した(6月12日付)。

 「もしドイツが“航行の自由作戦”に参加すれば、従来の中国との親密な関係に亀裂が生じる危険があります。独国防省は南シナ海派遣報道を否定していますが、対ロシアで、米国のご機嫌をうかがっておかなければならず、現在のドイツ政治の脆弱さ、その迷走ぶりから今後多難でしょうね」(同)

 英海軍の誇る戦艦『プリンス・オブ・ウェールズ』は、第2次世界大戦のマレー沖海戦で、日本海軍に撃沈された。また第1次世界大戦中には、ドイツ帝国の東アジアの拠点「青島」を日英連合軍が攻略している。両国にとってアジアは悪夢でしかないが…。

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