もはや“国民的嫌われ番組”として貫禄すら感じさせる『ロンハー』だが、今年ばかりは「嫌われるのも人気のうち」と、例年のように胸を張るワケにもいかなくなってしまった。それは、今も生々しく記憶に残る、5月12日の上原美優さんの自殺の影響である。生前の上原さんといえば、当代きっての毒舌芸人にして『ロンハー』の象徴的存在・有吉弘行に「芸そのものが貧乏くせぇ」とボロクソにこき下ろされていた。そのため今回の自殺との関連性が一時期騒がれ、有吉は「彼女を殺した張本人」と的外れなバッシングを浴びる一幕があった。
世間の良識をあえて逆なですることによって、お茶の間のヒールとして人気を保ってきた『ロンハー』だが、「タレントの自殺」というイメージが植えつけられたのはあまりに痛すぎる。今や数少なくなった大人の笑いを提供する番組が、このまま“風評被害”に屈してしまうのだろうか。