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【ドラマティックレビュー】バーディバーディ 逃げ転向でスランプ脱出なるか

 怒濤の追い込みを見せたグランドシチーが得意の中山で初の重賞制覇。見事な末脚だったが、個人的には、わずかな差で負けたしまったが逃げたバーディバーディが興味深かった。バーディバーディは3歳時には重賞2勝、ジャパンカップダート4着、東京大賞典3着、フェブラリーS3着と古馬に混じってからも大健闘。5歳あたりから本格化するダートの傾向を踏まえると次世代を担う期待の星という見方をしていたファンも多かったのではないだろうか。

 翌年、4歳時には帝王賞3着だったがその後はスランプに陥り、GIIIはおろかオープンも勝ちきれない状況。5歳を迎えた昨年は6戦1勝。約2年ぶりの勝利を挙げたアハルテケSはダート馬になってから初めて逃げたレースでもあった。今回は久々の勝利を挙げたときと同じ北村宏司騎手。アハルテケS勝利後は逃げを打つことなく、好位追走といつもの位置取りで今一歩の成績に逆戻り。過去には中団からの競馬もしていたが突き抜けず。となると今回のマーチSの逃げ戦法は再浮上するための最終兵器だったとも言える。

 また、今回の逃げは追い込み脚質のグランドシチー封じとしてとった策でもあるだろう。しかし、逃げたことで久々に強いバーディバーディを見ることができたのは大きい。3歳時にはダート馬として好スタートを切ったバーディバーディももう6歳。GI制覇は同期のゴルトブリッツやニホンピロアワーズに先を越されてしまったが、伸び悩んだからこそ行き着いた「逃げ」で大舞台に戻ってくることはできないかと期待している。

〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。昨年度のおこづかい馬券の成績は回収率137%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。

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