1982年に公園造成を開始し、日系米国人の彫刻家イサム・ノグチが設計の委託をされた。同氏はマスタープランを完成させた1988年に急逝。遺志を受継いだ公園造成事業者の手により、2005年に造成が完了。奇跡のランドスケープが誕生した。彫刻家の情熱が傾けられた、この公園には美しい遊具が点在。最大噴上高25mの「海の噴水」は公園に生命の息吹を与える。モエレ山頂上では、壮大な景色が堪能でき心地よい風が吹く。またモエレビーチと呼ばれる池では夏に水遊びが出来る。四季折々の表情が見られる「奇跡の公園」は間違いなく異空間に誘う。
そして私はここで「奇跡の出逢い」を果たす。初めて訪れた北海道。どうせなら地元民が愛するラーメン屋に訪れたいと思っていた。「プレイマウンテン」と呼ばれる高さ30mのピラミッドの頂上まで登ると、犬の散歩していたご夫婦に出逢う。このご夫婦にラーメン屋を探している旨を告げると、何とご夫婦の息子さんがラーメン屋を経営していたのだ。名前は『吉山商店』。どうやら息子さんのあだ名「よしやま」からついたらしい。
親切にも、このご夫婦に車で送って頂き「吉山商店」に入る。地元の方がズラリと並んでいる。観光客らしき人はいない。ご夫婦情報によると、あの札幌出身・里田まいさんも度々訪れるらしい。早速、味噌ラーメンを頼む。ボリューム満載濃厚スープ。ベリー旨し。さすがは地元が愛するラーメン屋。来てよかったと心から思った。
奇跡の公園で奇跡の出逢い。だから旅は面白い。ああ、仲良くなった愛犬、ボストン・テリアのトンちゃんにまた会いたい。
(「はぐれ旅ライター純情派」海飛車鱗(うみとしゃりん)
山口敏太郎事務所