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小泉進次郎「勤労統計不正」「山梨知事選」「衆院改革」3つのヤマ場

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提供:週刊実話

 新年早々、小泉進次郎・自民党厚生労働部会長が3つの大きな難問に直面、試練に晒されている。

 1つ目は、1月28日に召集される通常国会で最大テーマとなった厚労省の勤労統計をめぐる問題だ。国民の賃金や労働時間の動向を把握する『毎月勤労統計調査』が15年前からデタラメに行われてきたことが発覚したのだ。

 2007年に約5000万件の公的年金保険料の納付記録漏れで国民の大きな怒りを買った「消えた年金」を彷彿させる大騒動になっている。

 「デタラメ調査はこうです。統計調査は従業員500人以上の事業所は全調査が決まりごとでしたが、東京都分は3分の1の事業所だけ実施。このため高給料の事業所の数字が適切に反映されず、平均賃金が低く出た。国際的な信用問題にも発展する大問題といわれています」(厚労省担当記者)

 不適切手法は’04年から行われ、それをもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険で実際より少ない額が給付された。該当者は延べ約2000万人、今後、追加支給額は約567億円にも達するという。

 与野党内も国会開会前から調査を開始しているが、とりわけ自民党でその任にあたるのは厚生労働部会。そう、トップは進次郎氏だ。

 「進次郎氏を筆頭に、安倍政権も厚労省を徹底して叩き、膿を全部出そうという構えです。ところが、ここで別の問題も浮上している。昨年、厚労省は一部の調査しかしていない結果を全調査したかのように偽装する工作を加えていたのです。計算上、東京の残りの3分の2の事業所を反映させれば、当然、賃金額はアップする。昨年1月以降、0.6〜0.7%程度、勤労統計の賃金は上がっており、この上昇率がアベノミクスの成果として宣伝されていた。だがもちろん、これは真っ当な統計ではない。15年前からの厚労省のデタラメな調査だけでなく、安倍政権が厚労省の意図的な統計処理をいつから知っていたのかも焦点になってくるでしょう」(霞が関事情通)

 自民党関係者が警戒する。
「’07年の消えた年金問題で火消しに失敗した第1次安倍政権は火だるまとなった。同年に行われた参院選で自民は改選時の64議席から37議席に激減、第1次安倍政権は退陣し、民主党政権誕生への引き金になった。今度の統計不正も対応を一歩間違うと、’07年の二の舞となる。その意味では、自民党厚労部会が問題の入口と出口をどうソフトランディングさせるかにかかっている。進次郎部会長の手綱さばきは極めて重要で、もし失敗すれば進次郎氏の信頼もガタ落ち」

 2つ目の難問は保守分裂となった山梨県知事選挙(1月27日投開票)だ。

 同知事選は二階俊博幹事長が長崎幸太郎氏を擁立。進次郎氏は長崎候補の応援演説のため、18日午後、甲府駅頭に立ち「山梨を出ていった若者が帰ってきたくなる故郷創りを。長崎候補なら必ずできる!」と2500人の聴衆に熱く呼びかけた後に握手攻め。人気のほどを窺わせた。

「長崎氏と山梨のドン、富士急グループの堀内詔子衆院議員は代議士の椅子をめぐり血で血を洗う抗争を繰り広げてきた。今回は手打ちの格好で堀内氏の派閥の長、岸田文雄政調会長が何度も長崎氏応援で山梨入りしている。だが、長崎氏の立候補に一部の自民系首長らが過去の抗争の延長で猛反発し、現職の後藤斎知事支援に動き、保守分裂の大激戦となっているのです」(全国紙記者)

 それだけに、自民党内では選挙に強い進次郎氏への期待は大きいが、進次郎氏の神通力にも陰りが見えてきた。昨年の沖縄県知事選だ。進次郎氏は何度も沖縄入りして自民推薦候補の応援演説を繰り返したが、結果は野党候補の玉城デニー氏に敗れた。

 「山梨県知事選の結果は4月の統一地方選、夏の参院選に大きく影響します。そのため、進次郎人気で無党派層をどれぐらい取り込めるかが、勝敗の行方を左右する。沖縄に続き進次郎氏の全面応援で勝てなければ、自民党内での影響力はダウンする。ポスト安倍最有力候補のポジションも危うくなるでしょう。それだけに山梨県知事選は、進次郎氏にとっても絶対負けられない選挙なのです」(同)

 そして、難問3つ目。進次郎氏自らが主導する超党派『「平成のうちに」衆議院改革実現会議』の実現度だ。党首討論の定例開催やペーパーレス化などの改革をどこまで進められるのか。

 国会改革は、昨年の臨時国会・衆院議院運営委員理事会で1月末からの通常国会で検討する合意はなされているが、見通しは暗い。

 「数で圧倒的に負けている野党は合理化のみだけの改革が進めば、牛歩戦術やペーパー準備などの無駄頼りの抵抗ができなくなる恐れがある。一方、小泉改革グループには野党議員もいる。自民党議員にしてみれば、野党議員に国会改革を選挙区でアピールされたのではたまったものではない。進次郎氏の国会改革に乗れない与野党議員は意外と多くて、理由をつけて店晒しにする魂胆です」(政治部記者)

 ’15〜’16年に進次郎氏が農林部会長で取り組んだ農協改革が骨抜きになったのは記憶に新しい。国会改革でも空振りでは進次郎氏の実行力に疑問符がつく。

 「勤労統計不正問題、山梨県知事選、国会改革をクリアしなければ、進次郎氏の先はない」(同)

 果たして、3つの難問を乗り越えられるか。

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