事件が発生したのは7月16日。東京都足立区保木間の路上で、男が運転する車のドアにしがみついた69歳の女性を13メートル引きずり殺そうとした疑い。その様子は、80年代の刑事ドラマさながらだったことだろう。
女性は転倒した際、頭と右膝に軽傷を負ったものの、命に別状はなかった。男は結局、逃げ切ったが、5日になり管轄する竹の塚警察署に出頭。ただし、容疑については、「女性を押しのけてからアクセルを踏んだつもり」と否認しているそうだ。
男がなぜこのような凶行に及んだのか。その理由は、交際相手とのトラブルだった。被害に遭った女性の娘(37)と別れ話となり、それがもつれたというのだ。調べによると、男は娘を車ごと連れ去っており、娘の危機を覚悟した69歳の母が、なんとか食い止めようと、ドアにしがみついていたのだ。
高齢ながら、子供を守ろうと執念を見せた母には、ネットユーザーから「涙が出る。いくつになっても子供はかわいいんだな…」「動物的本能かも」という称賛の声が。一方、男には、「振られて力ずくで連れ去るとか気持ち悪い」「自動車を凶器にするなんて許せない」など、怒りの声が殺到する。
そして、娘については、「殺される前に逮捕されてよかった」「男は確実にストーカーになる。出所後のお礼参りが心配」「すぐ引っ越したほうがいい」「心の傷になりそうで心配」と身を案じる声がある一方で、「変な男と付き合った結果。男を見る目がない」「交際のことで親に心配をかけて、情けない」「親不孝者と言わざるを得ない」など、厳しい声もあった。
別れ話のもつれは、男女問わず凶悪事件に繋がる。交際の最後は、なるべく穏便にしたいものだ。