寺の入り口には、なぜかトーテムポールが建っており、参道にはたぬき大明神、七福神などの像が所々に鎮座している。またラジオ放送で紹介されたテープが、拡声器から流されている。
「風天洞」とは、寺内にある洞窟のことで、花崗岩の岩と岩が積み重なって半自然の状態になっており、全長約500メートルもある。洞窟の内部は仏様の体内のようになっており、ここに入れば、娑婆の汚れを落として、心身を浄化し、七難即滅七福即勝へと変わり、個々の願いが叶うと言い伝えられている。また、内部に七福神、石神仏、巨石像などが数百体も祀られている。中でも、石窟の天井に描かれた寝拝み楊柳観音は、台座に寝て拝むという、世にも珍しい拝み方をするトルツメ観音としても有名である。
風天洞から出たところにある「ぽっくり堂」というお堂は、「無病息災、ぽっくり成仏」を祈祷してくれる。これは、ぽっくり死ぬということ(突然死)ではなく、楽に苦しまずに死ねるという意味である。売店には、「嫁いらず、医者いらず、病知らず」というキャッチコピーで、「ご祈祷済・延寿パンツ」が1000円で販売されている。
観音堂には、聖徳太子が自ら彫られたと伝えられる聖観世音菩薩像が安置されている。昔、この地を統治する武将が、この観音像を兜の中に入れ、戦に赴いたところ、様々な危機に遭遇しても、「南無観世音菩薩」と称えれば無事に帰還できたといわれている。
永代供養、先祖供養、無縁供養、水子供養、玉虫供養、虫供養、動物供養、ペット供養、魚貝類供養、安産祈願、福子成就祈願、還暦・厄除祈願、開運勝利祈願、家内安全・身体健全・交通安全・厄災得幸星祭り祈願、方除災祈願…。ここでは何でも供養・祈祷してもらえる(電子メールでも受付可)。岩戸山観世音寺の施設内は、すべて霊験あらたかで、まさにご利益パラダイスである。
(「三州(さんず)の河の住人」皆月斜 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou