準々決勝で“絶対王者”ブアカーオ・ポー・プラムックとのリベンジ戦に挑む魔裟斗。1カ月前から元WMCライト級王者&現ルンビニースタジアム認定同級10位のヌアペット・サックホームシンをタイから呼び寄せ、まずはムエタイ対策に取り組んだ。「1番最初やった時は面食らいました。前蹴りとか日本人と全然違うし。やって良かった」「こんだけ質の高い首相撲できたのは久しぶり」などと万全の対策を施してきたことで「ブアカーオの弱点が見えてきた感触はありますね」と魔裟斗は宿敵へのリベンジへの手応えをつかんだ。
さらには「週2、3回は日本チャンピオンクラスのプロボクサーとスパーをやってました」と徹底的にパンチ強化に取り組んだ。「KOできるってイメージはボクシングで養ってます」という言葉通り、この日も3分2Rのスパーリングで、ショートアッパーとフック、左右フックと、パンチの各種コンビネーションで相手をグラつかせる場面を披露し「勝負は一瞬で決まる可能性もある」とKO予告も言い放った。
そして、1日3試合をこなす過酷なトーナメントを制するため、スタミナ強化にも余念がない。「去年はオレのスタミナ切れ」と過去の反省を踏まえ、夏合宿からトレーニングを積んできた。その結果、トレーナーも「サッカーの日本代表、セリエAの選手と同じくらいの体力がある」と太鼓判を押すほど無尽蔵のスタミナを手に入れた。
3つの課題を完全克服したことで、かつてないほどの仕上がりを見せている魔裟斗。4年ぶりの王座奪還に向けもはや死角は見当たらない。