「69代IWGPヘビー級王座を手に入れるチャンスが目の前に転がってくる。シックスナインの神様は私を見放していなかった」
埼玉・熊谷市立市民体育館大会(1日)の試合後、田口はまだ未定となっていたフィンレーの「穴」を埋めたいと、田口節全開でアピールした。フィンレーはタグチジャパンのメンバーということもあり、新日本はこのアピールを意外にもすんなりと認め、田口のNJC出場が電撃決定した。ジュニアヘビー級からの参戦は、NEVER無差別級王者のウィル・オスプレイに続いて2人目。ただ田口も、真壁刀義、矢野通とのトリオでNEVER無差別級6人タッグ王座を持つ。180センチと体のサイズではヘビー級と比べても遜色ないのだ。
「一度は使えという一生のお願いを使う」
そう言って参戦を直訴した田口だが、実は2008年のNJCに参戦している。当時のNJCはジュニアヘビーの選手も参加しており、1回戦で獣神サンダー・ライガーを破るも、2回戦で棚橋弘至に敗戦。今回も1回戦で天山を破ると、2回戦は棚橋と海野翔太の勝者と対戦することが決まっている。神が与えてくれたナンバーだという69を貫き通すためにも、今回は勝たなければならない。
田口のパートナーを務めていたプリンス・デヴィットは、WWEでフィン・ベイラーとしてインターコンチネンタル王座を獲得。デヴィットとのアポロ55の好敵手だったゴールデン☆ラヴァーズ(ケニー・オメガ&飯伏幸太)もヘビー級で活躍している。タイチも昨年のNJCからヘビー級に転向した。
しかし、田口はジュニアを貫きながら強豪ひしめく新日本マットでヘビー級戦士とも闘い続けている。昨年、棚橋が主演を務めた映画『パパはわるものチャンピオン』ではギンバエマスク役を熱演し人気上昇中。今年のNJCはそんな田口のキャリアを活かす大チャンスだ。一方の天山もG1クライマックス卒業以降、久々につかんだチャンスで負けられない。好勝負必至の1回戦に注目が高まる。
文・写真 / どら増田