共同通信社(本社・東京都港区)は5月20日、就職活動中の女子大学生に不適切な行為を行ったとして、前人事部長の今藤悟総務局次長(51)を懲戒解雇処分としたと発表した。
また、監督責任として石川聡社長と伊藤修一専務理事の役員報酬を減額、豊田正彦総務局長を減給、三土正司総務局総務を戒告の処分。岡部央総務局次長兼人事労務部長も厳重注意とした。
同社によると、今藤局次長は人事部長を兼務していた昨年12月、13年の採用試験を受けようとしていた同社志望の女子大学生と個別に接触し、作文指導をしたほか、不適切な行為をしていた。
同社では、今年1月に事実関係を把握。今藤局次長は病気を理由に、2月に人事部長の職を解かれていた。
不適切な行為の詳細について、同社は「相手のことがあるのでお答えできない」としているが、前人事部長が女子大学生と飲食し、一緒にホテルに宿泊したとみられる。性的な関係をもったかどうかは、明らかにされていない。
前人事部長をめぐっては、「週刊文春」が5月23日号で、「大手マスコミの人事部長が就活女子学生をホテルに連れ込んでいた!」として記事を掲載していた。
同誌の記事によると、前人事部長は昨年12月、同社の企業説明会で女子大学生と知り合った。昨年12月28日、「作文を添削してあげる」と言って、女子大学生を呼び出し、深夜まで食事をした。終電の時間が過ぎたため、前人事部長は同社近くのホテルに宿を取ったが、部屋の中にまで入ってきて、執ように関係を迫ったという。
事件後、女子大学生は強く抗議し、前人事部長は会社の上司にトラブルを報告。1月中旬から会社を休み、2月1日付で人事部長の職を解かれたと記されている。
伊藤専務理事は「今回の事案を極めて重く受け止めており、2度とこのようなことを起こさないよう、職員の規律維持に全力を挙げ信頼回復に努める。これまで公表しなかったのは、当該学生の就職活動に影響がないよう配慮したためです」とコメントしている。
この就職難の時代に、大学生も内定を取ろうと必死だ。その状況下で、就職をえさに、人事部長の立場を利用して、不適切行為を行うとは許されることではない。
(蔵元英二)