HONDAの「DN‐01」はバイクとスクーターを融合させた大人のスポーツクルーザー。全長2315mm、全幅820mm、全高1115mmで総排気量680ccと大型ながら、簡単な操作性とモーターサイクル本来の乗り味を両立させた“いいとこどり”になっている。でも、これってオートバイなのかスクーターなのか?
開発責任者の渋川岳郎さん(46=顔写真)は「どちらかと言えばオートバイの部類に入ります。内側からまたいで乗ることができませんから。その代わりシート高を690mmと極力低くして、敷居の高さを感じずにまたいでもらえるようにしました」と説明する。
流行りの大型スクーターと比べてもバイクにしか見えない。いまどきの仮面ライダーが乗りそうな印象だ。見た目のカッコよさだけでなく、これまでのスポーツモデルにはない新感覚のライディングが楽しめるという。
油圧式無段変則機のフルオートマチックは、スロットルコントロールによるスクーターの手軽さを損なわずにダイレクト感を実現。クラッチ操作は必要なく右腕一本で操作できる。フットブレーキを採用し、足場がやや前にあるからライディングに安定感がある。
「実は、開発にあたって『ちょい不良オヤジ』というのは頭にあったんです。バイクに乗る年齢層はあがっていて、昔乗っていた世代が戻ってきている。『もう150馬力だとか時速250〜300km出るマシンはいらない。新しいモノが欲しい』という声にこたえたかった。スクーターでは物足りない元気な40〜50歳代を意識してつくりました」と渋川さん。
市販予定の参考出品車で、コンセプトは「ゆったり、楽に、大人がかっこつけて乗れる」。早ければ来春にも発売されるとの見方が強く、推定価格は120万円前後との情報もある。
モテるオヤジはありとあらゆるツールを駆使する。ただ速けりゃいいとか、ラクチンに乗りたいなんて老け込む年齢でもない。男の香りがするこの新種バイクは、スマートに乗ってこそ光る。