しかし、中には番組やネット上で張本氏に「喝」や反論した人物がいる。今回はそんな野球関係者を紹介しよう。
・下柳剛氏(元福岡ダイエーホークス・日本ハムファイターズ他)
番組内ではっきりと「喝」を入れたのが、ダイエーや日本ハムで活躍した投手・下柳剛氏だ。7月21日の放送で張本勲氏が女子の陸上選手を見て、「太った選手誰もいないね、谷口さん」と、コメンテーターの谷口真由美氏にセクハラとも取れる嫌味を入れる。
すると、下柳氏は「すいません今、ハリさんに喝で」とコメント。場が丸く収まった。張本氏は安倍政権を支持しているだけに、「安倍憎し」を公然と口にし続ける谷口氏に嫌味を入れたのかもしれないが、真意はわかっていない。
・王貞治氏(福岡ソフトバンクホークス球団会長)
2019年初回の放送にゲスト出演した元巨人選手・監督で福岡ソフトバンクホークス球団会長の王貞治氏。張本氏とは巨人時代ともにプレーし、仲が良かったと言われる。
しかし、選手への態度は異なっており、1月の放送で菊池雄星(シアトル・マリナーズ)が英語でスピーチする様子を見た張本氏は「何だ、大してうまくないね」と話すと、王氏は「大したもんですね、志を持っていたんですね」と褒め称える。
さらに、箱根駅伝で優勝候補の青山学院大学が5連覇を逃したことについて、「原晋監督がバラエティ番組に出過ぎ」と批判した張本氏に対し、王氏は「負けたら何を言われても仕方ない」と前置きした上で、「復路は見事だった」と頑張りを褒め称えた。
盟友関係ながら、全く意見の異なる二人だが、視聴者は王氏の懐の深いコメントに共感した。
・ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)
番組外ながら、張本氏に最も噛み付いたのがダルビッシュ有だ。大船渡高校・佐々木朗希投手が夏の全国高校野球選手権大会・岩手予選決勝で監督の判断で登板しなかったことに、張本氏は憤慨し、「楽させちゃダメ」「怪我を怖がるならスポーツ止めたほうがいい」などと、バッサリ斬った。
このニュースを見たダルビッシュは、自身のTwitterで張本氏の発言を引用し、「シェンロンが一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」とツイートし、宣戦布告。
張本氏が週刊誌のインタビューで「べらべら喋るな」などと反論すると、再びその記事を引用し、「ずっと停滞していた日本球界を変えていくには勉強し、今までのことに疑問を感じ、新しいことを取り入れていく。その中で議論というのは外せないツール。それを黙って仕事しろとはまさに日本球界の成長を止めてきた原因って気づけないのかな?」とツイートし応戦した。
結局、2人が面と向かって議論することはなく、『サンデーモーニング』でダルビッシュの話題はほとんど取り上げられなくなったことで、一応の決着となった。
2019年、張本氏に最も意見できる先輩だった金田正一氏が亡くなり、張本氏を真っ向から否定し怒ることができる人物がほとんどいなくなっている。この3人には、張本氏を恐れず、「おかしいものはおかしい」と声を上げてもらいたい。
記事の引用について
ダルビッシュ有Twitter https://twitter.com/faridyu/