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故内外タイムス新聞葬 内外タイムス地獄の淵から生還

 創刊60周年を迎えた本紙「内外タイムス」(本社=東京都中央区)は1日、部数低迷を苦に前代未聞の“新聞葬”を東京・ディファ有明で開催した。式典の最中、巨大題字遺影をぶち破ってアントニオ猪木が乱入。タレント・田代まさしの闘魂注入志願に張り手でこたえた猪木は、社長以下、内外社員にもビンタを連発。いったん燃え尽きた内外タイムスは地獄の底から生還した。

 社員の表情はどんより曇っていた。黒白幕で囲まれた会場には祭壇と献花台が設けられ、異様な雰囲気。午後6時すぎ、プロレスラーやタレント、AV女優、執筆陣を始めとする関係者が半信半疑ながらも続々と“弔問”に駆け付け、気がつけば紙面で呼び掛けた読者や近隣住民ら約1000人が参列。満員の会場は“葬儀”とは思えぬほど熱気ムンムンとなった。
 元日本テレビの若林健治アナウンサーが厳粛に式を進行する中、来賓が献花のため次々に登壇した。

 ハイライトは弔辞の真っ最中だった。プロレスラー・藤原喜明、出版プロデューサー・高須基仁、タレント・藤川京子、がけっぷちアイドル・くまきりあさ美に続いて登壇したのはあの田代まさし。本紙連載の思い出などを語っていたそのとき、突如、ベートーベンの交響曲「運命」のダダダダーン! が大音量で鳴り響いた。巨大な題字遺影を拳でぶち破って登場した猪木は迷わず「元気ですかーッ!」。
 会場は一気に大盛り上がりとなった。田代は猪木信者であることを訴え、闘魂ビンタを懇願。芸能界復帰をかける田代の男気にビンタでこたえた猪木のもとに、今度は本紙の若手社員らが詰め寄った。「内外だって生まれかわりたいです!」。ビンタ3連発。名乗り出た重森弘充社長の頬も容赦なく張った。
 前代未聞の新聞葬が死者再生の儀式に変わった瞬間だった。
 葬式から再生へ。この急展開に社員、来賓、水着姿のアイドルらも加わり、壇上は祭りのように華やいだ。こうなるともう、アレしかない。「1、2、3、ダーッ!」。多くの読者に見守られる中、内外タイムスは完全に息を吹き返した。

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