今まで2ちゃんねるに対して損害賠償債権を持つ人も回収するのは困難であった。同コラムによると、掲示板の書き込みを書籍にした出版社に対して、出版社に印税の支払いを求めたという。さらにその結果、「裁判所は、名目上印税債権を持っているのはA社とされているものの、実際に印税債権を持っているのは『2ちゃんねる』の管理人だとして(つまり、A社は「2ちゃんねる」のダミ−会社だということ)出版社に印税の支払いを勧め、出版社が当方に印税を支払うということで解決することとなりました」と書かれている。
ここで記載されている『2ちゃんねる』の管理人というのはもちろん西村博之氏のことであり、同コラムでは「これからも『2ちゃんねる』やほかの掲示板などでの被害を受けた人の権利救済のために戦っていきたいと思います」と力強く宣言している。同コラムを担当した弁護士の齋藤裕氏は取材に応じ「今回は回収することができました。しかし、名誉棄損にあたる内容を書き込んだ発信者の情報を開示されるなどの対応には至ってない。最終的なゴールにはまだ困難があると思う」と語った。
今回のケースは「2ちゃんねる」関連の訴訟で実際に損害賠償金を回収ができた珍しいケースである。「踏み倒そうとしたら支払わなくても済む。ばかばかしい」と今まで語ってきた西村氏の対応にも今後変化が起きるのだろうか。