国井恒志裁判官は判決理由で、「女性に声をかけ、友達になりたかったという動機は身勝手で巧妙。連絡先を交換するなど悪質」と指摘。一方で「被害弁償し、反省している」と述べた。
弁護側は「女性と知り合うきっかけが欲しかっただけで、つきまとい行為はしていない」として執行猶予を求めていた。
判決によると、原田被告は11年4月〜12年12月に5回、愛知県内の駐車場で女性が運転する車のタイヤをドライバーなどで突き刺し、パンクさせたとしている。
検察側の冒頭陳述などによると、原田被告は車をパンクさせ、タイヤ交換すれば女性と話ができるのではないかと考えて、実行した。女性が車に戻ると、「パンクしているよ。タイヤ交換をしてあげる」と声をかけ、連絡先を交換していた。
被害女性が知人女性に「タイヤ交換してもらった」と話したところ、その女性も同様の被害があり、「わざとではないか」と疑い、警察に相談し、一連の犯行が明らかになった。
弁護人は原田被告が車をパンクさせた件数について、なんと「約1000件あった」としており、極めて常習的だった。タイヤ交換してくれた親切な人を装って、ナンパにつなげるとは、いかにも悪質。その件数も尋常ではなく、有罪も致し方ないところか…。
(蔵元英二)