その結果、部長職よりも20〜30代の若手社員の方がITリテラシーが低いことが分かった。
同研究の報告では「一見IT分野に強いと思われがちな若手社員ですが」(同調査より)としつつ、「ビジネスにおいて必要とされる「ITリテラシー」を身に着けている社員は少ないのが実情」(同)と分析する。
しかし、若手社員はITとの親和性が高そうなのに、なぜ部長職よりもITリテラシーが低いのだろうか?その答えは、パソコンに触れる若者が減ってきたのが原因かもしれない。
総務省の2018年版「情報通信白書」では、2012年と2016年の年代別のパソコンの利用時間を比較している。それによると10代は、パソコンの利用時間が1日当たり32分から15分に減った。20代もパソコンの利用時間が減少したと報告している。
プレゼン資料の作成やメールの送受信などの作業はパソコンでするのが基本だ。だが、パソコンに触れる若者が減り、ビジネスに必要なITスキルを習得する機会も減少したようだ。その結果、若者のITリテラシーが低くなったと考えられる。
「若者はITリテラシーがあって当然」という考えを持ってしまうと、いざ現れた新入社員を見てガッカリしてしまうかもしれない。
また、同調査からはITリテラシーの高さが、部長職への昇進率を高めるとも推測できる。会社員のあなたが昇進や昇給を目指したいのであれば、ITリテラシーを高めることが大切かもしれない。
ただ、今後は多くの企業でAIの導入が進む。ITリテラシーを高めることは当然となり、何か他のスキルが必要になるのかもしれない。