だが今回、初代タイガーは肌を合わせて「レスリングのパワーが戻ってきている」と実感。それだけに「プレッシャーがありすぎて、不用意に蹴れなかった」という。それでもキックにこだわる戦術をとったのは、意地以外のなにものでもない。
一方、リベンジに燃える藤原は、ハイキックを受けた際、ガードをした右腕が腫れて自由が利かなくなり、得意の関節技に持ち込めなくなってしまう。ならばと、もう一つの得意技である一本足頭突きを連発。ムキになるほど、激しさの度合いが増していったキック対ヘッドバットの根比べは、10分では決着がつかず、時間切れ引き分けに終わった。
大技が乱発傾向にあるいまのプロレス界の中にあって、2人が見せた1つの技で魅せるプロレスは、自分たちが培ってきたストロングスタイルの根幹をなすもの。逆に、いまだからこそ新鮮に映った。