86年に公開された映画ドラえもんシリーズの中でも人気の高い一作である『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のリメイクでもある本作だが、熱狂的なドラえもんファンの間では本編同様に注目されているものがある。
それが映画上映後に流れるミニ特報である。
映画ドラえもんは、2006年に公開された『ドラえもん のび太の恐竜2006』以降は毎回、来年公開されるドラえもんの映画の内容のヒントとなる映像を一瞬流していて、ファンはその映像を見て来年のドラえもん映画は何なのか空想する楽しみが味わえるのである。
ミニ特報は基本的には、ドラえもんを見続けていたファンならすぐに分かる映像となっているが、2009年に公開された『新・のび太の宇宙開拓史』の上映終了後に流れた予告編では、ドラえもんたちが海中を舞台に活躍させることをイメージさせる映像が流れたため、「来年は『のび太の海底鬼岩城』(83年公開)のリメイクなのでは?」と思ったファンも多かったのだが、翌年公開されたのは旧作のリメイクではなく、オリジナルストーリーの『のび太の人魚大海戦』であった。
映画ドラえもんシリーズは2006年以降は、旧作のリメイクとオリジナルストーリーによる映画が製作されていて、これまでの流れだと、リメイク→リメイク→オリジナル→リメイク→オリジナル→リメイクの順に公開されており、ここ数年はリメイク作品の翌年はオリジナルストーリーの映画が公開されていることが多いので、来年の新作はリメイク作品ではないかと見ているファンも多いが、もちろん現段階では関係者以外は来年のドラえもん映画がどうなっているのかはわからない。
いずれにせよ、このミニ特報は楽しい映画を見た後に、来年のドラえもん映画のことも楽しく空想させてくれる嬉しいオマケである。
ドラえもんは2005年の4月から声優陣などが総入れ替えとなり、それまでのドラえもんを楽しんでいた層の中には、現在のドラえもんに拒否反応を起こしている人も少なくはない。
かつてのドラえもん映画が今リメイクされていることにも否定的なファンもいるわけだが、逆に現在のドラえもんのメインターゲットである子供たちにとっては、むしろ近年のドラえもんの方が自然に感じられている場合も多く、今の子供たちのための『のび太の恐竜』や『のび太と鉄人兵団』が製作されることには意義もあるのではないだろうか。
オリジナルストーリーによる映画ドラえもんも、かつての名作映画のリメイクもどちらも楽しみだというファンもやはり多い。
さて、来年の映画ドラえもんは一体、どんな夢を見せてくれるのだろうか!?
(「作家・歩く雑誌・雲の王国のリメイクが楽しみな29歳」中沢健 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou