報道によると、交渉中のバレンティンについて、ヤクルト幹部は「自由契約になる意向が強い」といった旨を語ったとのこと。また、報道通りに契約保留選手名簿から外れた場合、バレンティンは来月2日に自由契約選手として公示され、そこからは他球団との交渉が可能となる点についても合わせて伝えられている。
バレンティンは、2013年にプロ野球記録を更新する60本塁打を放った球界屈指の長距離砲で、今シーズンも「120試合・.280・33本塁打・93打点」といった成績をマーク。加えて、来年からは外国人枠を離れ日本人扱いでのプレーが可能となるという利点もあるため、巨人、ソフトバンクといった球団が獲得に動いているとの報道もある。
今回の一件を受けたヤクルトファンからは、「FA行使しなかったから残留に向かってるかと思ったのに」、「流出したら穴が大きすぎるから絶対に残ってほしい」、「球団も諦めずに交渉を続けてくれ」といった声が多数。
一方、「FA使わずに退団、やっぱり金目当てか」、「金欲しさに球団と喧嘩別れしようとしてるのは気に食わない」、「金満球団に行きたいなら勝手に行け」といった批判も少なからず寄せられている。
「FA権を保持する選手が権利を行使して他球団に移籍した場合、原則としてその選手の翌シーズン年俸は現状維持が上限となります。今回のバレンティンで言えば、移籍1年目は現在の年俸額である4億4000万円(推定)以上の金額は貰えないということです。ただ、自由契約になればこうした縛りは無くなるため、交渉次第では初年度から5億円以上の金額を引き出すことも可能でしょう」(野球ライター)
来日1年目となる2011年から今シーズンまでの9年間で、「1022試合・.273・288本塁打・763打点・959安打」といった成績をマークしている35歳のバレンティン。長年活躍しこれだけの数字を残してきたこと、そして来シーズンは36歳と現役生活に残された時間も少なくなってきていることを考えると、「実績を残してきたからもっと評価されてもいい」、「稼げるうちに少しでも稼げるところに行きたい」などと思っているとしても不思議ではないのかもしれない。
文 / 柴田雅人