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早大・斎藤を獲得した日本ハム商法大成功

 六大学生活最後のリーグ戦で有終の美を飾る4シーズンぶりの優勝。しかも、50年ぶりの早慶優勝決定戦の神宮に20年ぶりの満員札止めの大観衆3万6000人を集め、あわやノーヒットノーランを演じて、新伝説を作った早大・斎藤佑樹。後出しジャンケンのドラフトで当たりクジを引いた日本ハム商法は大当たり。球団フロント首脳は笑いが止まらないだろう。

 「わずか2日間(第1戦敗戦投手)で修正してくるのだから、たいしたものだ。明治神宮大会(13日開幕=神宮)でも頑張って欲しい」と日本ハム・梨田昌孝監督は、斎藤に対し現場の指揮官らしいエールを送った。が、球団フロント首脳は、新しい金のなる木として、早くも儲け計算の方に忙しいだろう。早慶戦で改めて見せつけたずば抜けた集客力、人気再沸騰の斎藤佑樹の商品価値は計り知れない。
 ヒーローインタビューでの「何か持っていると言われ続けてきましたが、確信しました。仲間です」という、気の利いたコメントを聞いたファンを熱狂させている。甲子園で優勝、テレビのワイドショーまでが追い回したスーパーヒーロー「ハンカチ王子」の初々しさとはひと味違った大人のスーパースター誕生を感じさせる。

 昨年から「ドラフト1位」を明言していたロッテ、ヤクルトは逃した魚の大きさに地団駄を踏んでいるだろう。地元・福岡出身の同じ早大の大石達也でいくか、可愛い早実の後輩・斎藤にするか、ドラフト直前まで迷った末に、斎藤を1位指名したソフトバンク・王貞治球団会長が「思ったよりも1位指名の数が多かったよ」と、漏らしたように、日本ハムは突然の割り込みだった。いわば唐突な後出しジャンケンのようなものだ。
 それなのに、坊主丸儲けではないが、佑ちゃん人気を独り占め、経済効果は天井知らずになるだろう。キャンプからオープン戦、そして公式戦、プロ野球界の話題を独占して本業以外のCM出演などの副収入のマージンなども球団にガッポリと入ってくる。
 数々ある斎藤効果の中で最大のメリットは、最高のポスト・ダルビッシュが出来たことだ。確実視されていた今オフのダルビッシュ有のポスティング・システム(入札制度)でのメジャー入りが、本人の都合で来年オフに先送りになったことで、頭を抱えていた球団側とすれば、一気に難題解消。3億6000万円、一説には5億円近いと言われるダルビッシュの年俸を来季も払う必要があり、しかもアテにしていた何十億円にもなるポスティングの落札金は入ってこない。そんな窮状は莫大な斎藤マネーで救われる。

 さらには、ダルビッシュがメジャー入りを来年に先送りしたのは、長期化しそうな離婚問題のためだというトラブル説が明るみに出てきただけに、ニュースター・斎藤佑樹の御利益はとてつもなく大きい。離婚騒動でイメージダウンを避けられないダルビッシュに代わり、フレッシュでさわやかな佑ちゃんスマイルをふりまけば、球団が被るダメージも避けられる。

 他にも斎藤効果がある。入団3年目の今季、ようやく一人前になりかかった、元甲子園のスターでダルビッシュの弟分・中田翔など、早くも佑ちゃん派に転向の動き? 「斎藤さんが来ると、キャンプもファンがたくさんきてすごいでしょうね。楽しみだ」と斎藤の入団を心待ちにしている。突然、斎藤争奪戦に割り込んだ日本ハム商法は、大成功というしかなく、球団首脳は笑いをこらえることができないだろう。

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