番組で鳥谷氏は夏の長期ロード(8月1~27日)で「18勝5敗」と貯金を13個も増やした阪神について、優勝確率は90%と予想。一方、残る10%の不安要素として2位・広島との直接対決を挙げた。
今季の阪神は8月28日時点(以下同)で2位広島とは7ゲーム差で、残る直接対決は7試合。全敗しない限り並ばれない状態となっている。ただ、阪神は2008年シーズン、8月28日時点で7ゲーム差をつけていた2位巨人にその後の直接対決で7連敗を喫し、結果的に大逆転で優勝を逃す屈辱を味わっている。
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15年前のケースは番組内でも紹介されたが、当時阪神選手としてプレーしていた鳥谷氏によると「(最大)13ゲーム差あったところからひっくり返されるところなんですけど、まだまだこの時点(7ゲーム差時点)では世の中も自分たちも余裕がある」と、直接対決開始前まではそこまで精神的に追い込まれてはいなかったという。
ただ、同氏は続けて「これが2つ3つって負け始めてゲーム差が縮まってくると追ってる方が有利なんですよ」、「流れが変わると一気に変わってくるので。苦手意識が出たりすると選手が、上にいるチームの方が意識してしまう」とコメント。最初の数試合を落としたところから、チームが緊張感や焦りに呑まれてしまったと振り返った。
今の阪神は8月に「18勝5敗」、広島は「11勝10敗3分」とチーム状態には差があるため、順当にやれば大負けは考えにくい状況といえる。ただ、鳥谷氏は「直接対決7試合の内(数試合で)しっかり勝てれば(優勝は)間違いないと思うんですけど、不安要素としては2008年の経験」と慎重姿勢を崩さなかった。
鳥谷氏の発言を受け、ネット上には「鳥谷さんの話聞いたら急に嫌な予感がしてきた」、「過去に1回やらかしてるからマジで心配」、「15年前の再来でV逃したらファンの暴動が起きそう」、「広島には直近カードで負け越してる(8月15~17日/1勝2敗)しなあ」、「贅沢は言わないから、3勝4敗ぐらいで何とか乗り切ってほしい」といった心配の声が寄せられた。
今季の阪神は対広島戦を「10勝7敗1分」と勝ち越しているが、ホーム甲子園では「6勝2敗1分」の一方、ビジターのマツダスタジアムでは「4勝5敗」と負け越している。残りの直接対決7試合は3試合が甲子園、4試合がマツダスタジアムで行われる予定だが、2008年も阪神を率いていた岡田彰布監督がこの山場をどう乗り切っていくのかは要注目だ。
文 / 柴田雅人