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「おぐらが斬る!」すすきの猟奇殺人 両親は娘を溺愛 家族は以前から壊れていた?

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筆者は以前、不登校やひきこもりの取材を長く続けていたことがある。不登校やひきこもりは百人百様で、その原因も様々だ。不登校ひきこもりになる人は、発達障害や精神障害で他者との人間関係がうまくいかない場合がある。またそれらの障害などではなくても、人間関係がうまくいかない人が多い。

人間関係の基礎は、幼少期に家庭内で培われる。家庭内で話し方を覚え、あいさつや人付き合いなどの基本的なところを身につける。

それがうまくいかない場合、その子どもは子ども同士の人間関係がうまくいかなくなる。不登校になる児童生徒の場合、躾などに厳しすぎる親や、逆に過保護過干渉、いわゆる溺愛されて育ってきた人も、人間関係がうまくいかなくなる場合が多い。

「お父さんもお母さんも溺愛っていうか。もうもう溺愛も溺愛、ひどいんだ」と語ったのは、札幌すすきのの首切断事件で逮捕された親子3人の親族だ。

溺愛や過保護過干渉がなぜいけないのか? それは子どもの意思決定や成長を止めてしまうからだ。例えば、子どもが外出しようとする。靴のヒモがうまく結べないので、親がずっと代わりに結んでやる。それでは子どもは一生靴のヒモを結べないままだ。

過保護過干渉の親は「あなたのため」といいながら、子どもの自己決定能力を奪ってしまう。過保護過干渉は子どもの意思や思考、自我の発達や自主性などを否定する虐待の一種なのだ。ただ溺愛している親は子どもを可愛がっていると思っているため、自覚がない場合が多い。

最初は親のいいなりで「いい子」であった子どもは、溺愛された子どもは小学校高学年や中学生あたりで、親への「反抗」がはじまる。暴力がともなう場合も多い。

その場合子どもは親に「お前らのせいで」と言って攻撃する。そのうち親子の主従関係が逆転し、親が子どもの奴隷状態になることもある。この事件の親子はそういった状態であった可能性がある。

今回の事件では父親が送迎役で、29歳の娘が被害者を殺害するのを、父親は娘のするがままにしている。被害者からの反撃も考えられるのにだ。

親子が被害者への恨みや復讐心を共有し、殺すことをみんなで決定したとしても、娘が1人で被害者を殺し、生首を落とし持ち帰るという方法は取らないだろう。

おそらく計画したのは娘で、両親は娘に逆らうことができなかったのではないか?

警察関係者の話によると、親子の家はゴミ屋敷化していたという。ゴミ屋敷は精神の荒廃に関係している場合が多い。

ゴミ屋敷は一週間や二週間ではならない。おそらくこの家族は、事件のずっと前から何かが壊れてしまっていたのではないだろうか。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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