「いまのような一強独裁状態であれば、与党になった方はぬるま湯に浸かっている。もっと悪いのは野党第一党の席におさまって、ぬるま湯に浸かってああ気持ちがいいなと思っている野党第一党がいるということが、日本の政治をダメにしている」
と、与党と野党第一党を一刀両断にして見せた。
馬場代表がいう【ぬるま湯に浸かってああ気持ちがいいなと思っている野党第一党】が立憲民主党であることは言うまでもない。
維新の会は立憲民主党が目指す野党連携・選挙協力を拒否。維新はすでに次の選挙にむけて106人の立候補予定者を発表。8月までに150人を目指すと鼻息も荒い。
それもそのはず去年の参院選では改選議席を倍増! 比例代表では立憲民主党を上回った。
さらに今年4月の統一地方選挙では首長と議員が470人から774人と大激増! 奈良県では大阪以外で初の維新系知事が誕生した。
大阪を中心に、なぜ日本維新の会はこれほどの支持を得ているのか? それは現役議員たちが【身を切る改革】を実践しているからだ。
維新の議員たちは歳費報酬の中から毎月2割、ボーナスについては3割を党に預け、災害などで被害に遭ったところへ寄付をしている。
そして大阪では高等教育までの無償化を実現しつつある。そんな維新の会が人気を集めるのは当然なのかも知れない。
この維新旋風に、次期衆院選で、自民党の河村建夫元官房長官の長男で河村建一氏は、さんざん世話になった自民党から維新の会に鞍替えして東京6区から出馬すると発表。自民党は「身勝手」「裏切り」と怒り心頭だ。しかし自民党にとっても、激戦区である山口県で、過去2回選挙に落ちている河村健一氏としては「自民より維新だったら受かるかも」と、維新の風に乗る気なのだろう。
馬場代表は、共産党について「なくなったらいい政党ですよね。世の中にありえない空想の世界を作って『こうなったらいいな』ということを真剣に真面目に考えている人たち」だと発言し、「立憲民主党がいても日本は何も良くならない」とも発言。
さらに自らを「第2自民党でいい」とし「第1、第2自民党が改革合戦でどんどん改革をやって、国家国民のためになることを競い合う」、さらに立憲との関係改善は「未来永劫(えいごう)ない。やるかやられるかだ」とまで語っている。
いま立民も共産も勢いがない。特に野党第一党の立民は維新の存在に戦々恐々だ。次の選挙でこれまで「野党第一党というぬるま湯で気持ちいい~」という立場を維新の会に奪われてしまうかもしれない。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。