注目が集まったのは、「0-3」と広島3点ビハインドの6回表1死でのこと。巨人先発・山崎伊織は打席の菊池涼介に、カウント「0-1」からシュートを投じる。だが、手元が狂ったのかこの球は菊池の胸元付近へ向かい、菊池の右腕に直撃する死球となった。
直撃後の菊池は右腕を押さえながらその場にうずくまると、トレーナーに付き添われながら一旦ベンチ裏へ下がる。この直後、ベンチ最前列で戦況を見ていた新井監督は、ベンチ前の柵をバンとたたき、その後もグラウンドを見ながら何かをつぶやくなど怒りをあらわにしていた。
この後、菊池は治療を終え一度は出場を続行したが、8回表1死で回ってきた打席で代打を送られ交代に。試合後の報道では、新井監督が「ちょっと当たり方がね…。自分から(スイングしに)行っているし、全部(衝撃を)吸収していたから。明日の様子を見て…になると思う」と心配を口にしたことが伝えられている。
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現地ファンのSNS投稿などにより判明したこの場面について、ネットでは「新井監督めっちゃキレてないか」、「あの監督がベンチぶっ叩いてるって相当だぞ」、「こんなに感情露わにする新井さんは初めて見たかも」、「うちの主力に何してくれてんだって怒りが伝わってくる」といった驚きの声が寄せられた。
「新井監督は現役時代(1999-2018)から真面目で温厚な性格で知られた指揮官。就任1年目の今季も選手のミスにベンチで不満をあらわにしたり、試合後の取材で苦言を呈したりといったことはほとんどありませんでした。ただ、今日に関しては死球を受けたのが攻守で欠かせない主力の菊池であること、相手が3位を争う巨人であったことから感情を抑えられなかったのでは」(野球ライター)
11日の広島は菊池だけでなく、主軸・西川龍馬も6回の打席で右脇腹を痛め途中交代となっている。西川も12日以降の出場は状態を見て判断するというが、2名同時離脱なら新井監督の就任以来最大のピンチとなりそうだ。
文 / 柴田雅人