問題となっているのは、「3-5」と広島2点ビハインドの6回裏無死二塁。打席の野間は楽天2番手・鈴木翔天がカウント「1-1」から投じたストレートに手を出すもボテボテの一ゴロに。ただ、走路上に飛び込みタッチしようとしてきた一塁手・鈴木大地を体をよじらせかわすと、体勢を崩し倒れ込みながら一塁へ滑り込んだ。
ただ、一塁塁審・岩下健吾審判は、野間はタッチをかわす際に3フィート(91.44センチ)を越えたとしてアウトと判定。これを受け、広島ベンチからは新井貴浩監督が飛び出し審判団に抗議するも判定は覆らず。抗議終了後、球審・敷田直人審判は「ただ今タッチをかいくぐる時3フィートを避けて、ラインアウトで。アウトです」と場内に説明した。
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野球規則では走者アウトのルールとして「走者が、野手の触球を避けて、走者のベースパス(走路)から3フィート以上離れて走った場合」、「この場合の走者のベースパス(走路)とは、タッグプレイが生じたときの、走者と塁を結ぶ直線をいう」と定められている。今回のケースでは、一塁線の外側を沿うように走っていた野間はタッチを避ける際にそれほど走路を外れてはいないが、その後体勢を崩した際に両足がファールゾーン側に大きく出ており、塁審はこれを元に3フィートを越えたと判断したようだ。
今回の判定を受け、ネット上には審判団に対する賛否の声が上がった。一方、中には「判定以上に塁審の表情がムカつく」、「半笑いで抗議対応するのは舐めすぎだろ」、「判定はまだ納得できる、でもその後の顔は受け入れられない」といった、岩下審判の表情を問題視するコメントも見られた。
「中継では一塁コーチャーズボックス付近で新井監督が審判団に抗議を行う様子がアップで映っていますが、ここでは岩下審判が新井監督に対し『いやいや』と言わんばかりに右手を振りながら、ニヤニヤしたような表情を浮かべて何かを説明している様子が捉えられていました。岩下審判としては穏便な対応を心がけていたのでしょうが、リスペクトを欠いていると感じたファンも少なくなかったようです」(野球ライター)
微妙な判定で反撃ムードがそがれたのか、広島はこの後1点も取れないまま敗戦。ただ、試合後の報道では、新井監督は「『これは3フィートじゃないですよね』とは言いましたけど、そこはアンパイアのジャッジが優先なんで」と審判団の判断を尊重する旨を語ったと伝えられている。
文 / 柴田雅人