問題となっているのは、「1-4」と中日3点ビハインドで迎えた8回裏2死一、二塁でのこと。打席の村上開人が、阪神3番手・浜地真澄がカウント「0-2」から投じたストレートをスイング。打球は左翼線に落ちるヒットになり、二走・石川は三塁を蹴って本塁へ向かった。
石川は生還を確信したのか、三本間の中間を過ぎたあたりでスピードを緩め小走りで本塁を踏んだ。ところがほぼ同時に、三塁を狙っていた一走・細川成也が阪神左翼・ノイジーの好返球によりタッチアウトに。審判は細川が走塁死した方が早いと判断して石川の生還を認めず、リクエスト検証でも判定は覆らなかった。
>>中日・柳、立浪監督の強攻策に呆然? ベンチでうなだれ放心状態、スクイズ失敗直後の表情に同情の声<<
この石川の走塁を受け、ネット上には「緩慢走塁のせいで反撃ムードが一気に台無し」、「あんな手抜き走塁はあり得ない、やる気ないなら帰れ!」、「懲罰降格にされてもおかしくない大チョンボだぞ」といった批判が噴出。Twitterでも「石川昂弥」や「怠慢走塁」といった関連ワードが一時トレンド入りするなど波紋を広げた。
一方、ファンの中には石川だけでなく「これ溝脇も悪いだろ、何ボケッと突っ立ってんだ」、「右手上げて呑気そうにしてるから石川が走塁緩めた説ない?」、「状況見えてるのに急かすジェスチャーしないのは怠慢では」といった、次打者のプロ11年目・29歳の溝脇隼人にも責任があるという指摘も見られた。
「野球で次打者はネクストバッターズサークルで打席の準備をすると同時に、走者が本塁に向かってきた場合はスライディングの必要性の有無や、左右どちらに回り込むかといった指示をジェスチャーで伝えるコーチャーとしての役割もあります。今回の場面でも次打者の溝脇は本塁後方、三本間の延長線上に立っていましたが、石川に対してはその場で右手を上に出すジェスチャーしか見せていませんでした。このジェスチャーは一般的にノースライディングでOKと表すものとして用いられていますが、ファンの間では細川が三塁で憤死する可能性も考慮し、石川には全力疾走を求めるべきだったのではという意見も多くあります。溝脇は代走・守備固めとしての起用が多く今季は24打席、通算でも318打席にとどまっていますが、ホームコーチャーとしての経験が不足していた面もあるのでは」(野球ライター)
19日終了時点で「13勝25敗」とセ・リーグ最下位に沈む中日。5位ヤクルトとは4ゲーム差と一人負けの様相を呈しているが、ここからの反撃へ向け今回のようなミスは撲滅していきたいところだ。
文 / 柴田雅人