同日は試合前からざわついていた。メディア関係にも両チームのベンチ入りメンバーが伝わった時だった。クローザーの大勢が外されていた。前夜、ヤクルト・内山壮真にソロ本塁打を打たれている。
原辰徳監督は「今日は最初から休ませようと思っていた」と説明したが、試合前の全体練習には参加していた。ランニング系のメニューだけだったが、12、13日の広島戦では2日連続でリリーフ失敗。ともに1点リードの場面を守り切れず、前日17日の同カードでも苦しい投球が続いていた。
「気分転換の意味もあったのでしょう。でも、次の中日2連戦(20、21日)で失点したら、一大事ですよ」(ベテラン記者)
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「大勢ベンチ外」でざわつく中、トレード移籍してきた鈴木康平が三塁側ブルペンで投球練習をやっていた。
鈴木の古巣・オリックスに詳しいプロ野球解説者がこう言う。
「今季の鈴木は『先発』を前提に調整していました。でも、長いイニングを投げるためか、力をセーブした投球法が上手く行かず、ファームで再調整していました。リリーフでやり直すためです」
何人かの関係者の話を総合すると、ファームでテスト登板した後で一軍登録する予定のようだ。
ファームと言えば、この日、中田翔がフリー打撃を行っていた。そのパワーと打球の速さに二軍選手も棒立ちで見ていたが、20日の中日戦から一軍復帰もあり得るとのことだ。
「右太股裏を痛め、当初は復帰まで6週間以上掛かると言われていましたが」(前出・同)
その中田を再昇格させるとすれば、現一軍登録数は「上限いっぱいの31人」だから、誰かを降格させなければならない。また、中田離脱後のスターティングオーダーだが、門脇誠、秋広優人を入れて「一塁・岡本和真」の布陣が機能しており、「誰を外すのか?」という問題も出てくる。
「岡本を三塁に戻せば、今、サードを守っている門脇をスタメンから外すことになります。岡本は外野も守れますが、そうなると、秋広かブリンソンがスタメン落ちです」(前出・ベテラン記者)
DH制が使える交流戦は、少し先になる(30日)。
試合後、原監督は「試合が終わるとヘトヘトだから、もう語る言葉も出て来ないんだ」と、冗談交じりに笑ってみせた。今季初の同一カード3連勝で、借金は「1」に減った。次節の中日戦に連勝すれば上昇気流に乗れるが、そのキーマンとなりそうな中田の起用法が難しい。
しかも、門脇、秋広の活躍で若手は「オレも使ってくれ」と言わんばかりに、ベンチから身を乗り出して声を出し続けている。かわいそうだが、そのうちの誰かに二軍落ちを告げなければならない。
「ここまで、中日には3勝6敗と負け越しています」(前出・同)
休養を与えられた大勢はリフレッシュできたのか? 中田、新加入・鈴木の起用法を間違うと、大変だ。原監督は笑っていたが…。(スポーツライター・飯山満)