誰もが羨むDNAを持ち“未完の大器”と言われて来た納谷は、火野裕士とのタッグ結成がきっかけとなり開花。昨年12月にはシングル最強決定リーグ戦『D王 GRAND PRIX』で準優勝。この挑戦者決定戦に、同王座への初チャレンジをかけることになった。一方、過去10度同王座を戴冠した“ミスターDDT”HARASHIMAは、これを受けて立つことで、まだ時代を渡さない気持ちで一戦に臨んだ。
試合は開始早々、納谷はビッグブーツでHARASHIMAを場外にふっ飛ばすと、ミドルキック連打。ドラゴンスクリューで逆襲したHARASHIMAはリングに戻ると、納谷の足に的を絞って集中砲火。納谷の動きを止めたHARASHIMAはジャンピング・ハイ、蒼魔刀、ローキック連打と攻め立て、足への攻撃をやめず。HARASHIMAが張り手を見舞えば、納谷も張り手で返し、チョークスラムを一閃。HARASHIMAが走り込んできたところにビッグブーツを叩き込んだ納谷は、強引にバックドロップもカウントは2。だが、ここを勝機と思ったのか納谷は、もう一発バックドロップを放つとカウント3が入り、場内からは大きな拍手が送られた。
試合後、納谷は「HARASHIMAさん、あなたはやっぱりDDTのエースでした。今日は俺が勝ちました。DDTの26周年、俺に任せてください」とマイク。両者は互いの健闘を称え、ガッチリ握手を交わすと、王者の火野がリングイン。納谷は「火野さん、今日は俺が勝ちました。改めて俺の挑戦受けてください。あなたと出会って、プロレス人生が本当に変わりました。あなたとDDTの最強をかけて戦いたい」と絶叫。火野は「最高の試合やった。強い戦いを見せてもらった。つい最近、偉大なプロレスラー(武藤敬司のこと)が引退したね。素晴らしい引退試合やった。うちらはまだまだ、あそこまで届かへんかもしれんけど、どうせプロレスラーでいるなら、あんなんめざしたいよね。見に来る皆さんに一生心に残る試合をやろうや」と応えて握手。火野は武藤の引退試合にかなり刺激を受けたようだ。
未完の大器が頂点に立つのか。3.21後楽園大会に注目したい。
◆DDTプロレス◆
『Into The Fight 2023』
2023年2月26日
東京・後楽園ホール
観衆 680人(超満員)
▼KO-D無差別級王座次期挑戦者決定戦 30分一本勝負
●HARASHIMA(17分55秒 片エビ固め)納谷幸男○
※バックドロップ
(どら増田)