2月8日、北海道日本ハムファイターズのドラフト1位・矢澤宏太投手(日体大)がブルペン入りし、約50球の投球練習を行った。カーブ、スライダーなど変化球も投げていたが、「調整はやや遅れている」(チーム関係者)という。
「打者としての練習もあるからね。そっちの方の練習に今は重点を置いているし、新人なんで周りがブレーキを掛けてやらないと、オーバーワークで故障してしまうし」(前出・同)
左腕・矢澤を「二刀流」で育てていくのは、既報通り。日本ハムには大谷翔平(エンゼルス)を成功させたマニュアルもある。調整遅延でも“キレ味バツグンの投球”ができるのだから、新庄剛志監督の描く先発ローテーションに矢澤の名前が入っているのは間違いないだろう。
>>日本ハム、球団首脳が燻る選手に暴言?「使えないよ、ハハハ」OB糸井氏が暴露、野手転向の裏にあった非情発言に驚きの声<<
しかし、新庄監督を救ってくれそうな新人投手はほかにもいた。
ドラフト6位、26歳のオールドルーキー・宮内春輝投手(日本製紙石巻)だ。
「クローザーで使うかも。前日7日、フリー打撃で登板し、結果を残しました。右のサイドスローですが、新庄監督は『左バッターが相手でも通用する』と絶賛していました」(現地記者)
昨季の北山亘基に続く“ルーキー守護神”が誕生するかもしれない。
年齢からも分かる通り、宮内は「伸びしろ」ではなく、「即戦力」で指名した。対戦バッターの左右に関係なく勝負できると評価されたのだが、新庄監督がわざわざ「左バッターでも」と言ったのにはワケがあった。
「新庄監督は当初、伊藤大海にクローザーを任せるつもりでした。でも、伊藤自身、先発へのこだわりが強く、稲葉篤紀GMらにも相談していました」(前出・同)
複数の関係者などの話を総合すると、新庄監督は伊藤の希望を受け入れたそうだ。クローザー候補は“空席”でキャンプインしており、7日の宮内の投球内容を見て、新庄監督が安堵したというわけだ。
「社会人時代も救援の経験がありますし、シンカーも投げられますので」(前出・関係者)
右サイド、同アンダースローでシンカーを決め球にするリリーバーと言えば、現ヤクルト監督の高津臣吾監督が思い出される。また、新庄監督のお墨付きをもらった7日だが、
「この時期は投手に比べ、打者の調整が遅れがちです。変化球はバッターに申告してから投げていました。それでもヒット性の当たりは数える程度でした」(前出・同)
とのことだ。
今後の実戦登板次第では、新クローザーが誕生する。
もっとも、こんな情報も聞かれた。
「伊藤は侍ジャパンにも選ばれています。WBCではリリーフでも何でもやると張り切っていましたが」(プロ野球解説者)
重要な場面では伊藤も“緊急登板”してくれるかもしれない。若干の修正はあったものの、「優勝しか狙わない」と言った新庄監督の構想は固まりつつある。(スポーツライター・飯山満)