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姫路城・三の丸広場で5月3日から27日まで開催される同公演は、一日二部制で行われ、第一部で「播州皿屋敷」「鰯賣戀曳網」を、第二部で「棒しばり」「天守物語」を上演する。勘九郎は「公演が決まった時に、夢じゃないけどとても嬉しい気持ちでした。姫路城は世界遺産でもあるし、白鷺城という名も持っている。まるで魔力のような魅力を持った場所。今からワクワクします」と同公演に期待を寄せる。
演目である「天守物語」や「播州皿屋敷」についても、勘九郎は「姫路や姫路城にまつわる話で(姫路城でやれば)ご当地もご当地。城にはお菊の井戸もありますし、そういう場所でできる機会はなかなかないと思うので楽しみにしていただきたいです」とコメント。七之助も「去年の巡業の際に姫路に行ったんです。今回ドキドキしながら神聖な気持ちで務められるんじゃないかと思います」と公演への思いを語った。
七之助は公演時に40歳を迎えるが、年齢について質問を受けると「富姫にあまり年を聞かないでください」と照れ笑い。「40って嫌ですね。でも節目の年でもあるし、新たな気持ちで、歌舞伎役者としての人生も切り替えられる。歌舞伎役者としてのいい一歩になるんじゃないですか」と心境を明かす。
七之助は「天守物語」についても、「傑作ですし、言葉の表現や美しさにすごいものがある。いろんなところの歌舞伎座などでかけられている演目です」と述べ、「美術品を見るように観がちな演目でもありますが、情愛が深く、とても綺麗な言葉で描かれている作品。(姫路城で観ることで)富姫を横から見ているような、ぞくっとさせられるような感覚で観ていただけると思います」と観どころを紹介。
また、「観終わった後は、ふっと振り返ったら本物の城がある。それはなかなかないことだと思います。まるでお客さんが続きを持ち帰ってくださるような……。それこそ本物の芝居の力かなと思います」と感慨深げな表情で語っていた。
(取材・文:名鹿祥史)