このように女性関係に寛容なイメージがある歌舞伎界。そんな中で度々あがるのが“隠し子騒動”だ。
2018年に十代目松本幸四郎を襲名した市川染五郎。彼は1997年、6歳年上の元女優との間に隠し子がいたことが発覚。その6年後、高校時代からの友人と結婚し、2児をもうけている。
市川海老蔵にも「市川新之助」時代の2003年、4歳年上の元歌手との間に当時1歳になる女児がいることが報じられた。彼は子どもを認知していることを堂々と認め、養育費も払うと語った。
片岡愛之助も2011年、元ホステスの女性との間に当時11歳の男児の隠し子がいると報じられている。その際、養育費など生活の援助は続けていく意向を示したものの、認知はしていないことを明かし、のちにDNA騒動にまで発展している。
一体なぜここまで隠し子が多いのか? 歌舞伎界はまず、血筋が重視される世界。背負うべきものがあるため、一般人のように、子どもができたからといって簡単に結婚するわけにはいかないのかもしれない。
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ちなみに冒頭の芝翫は、息子たちをキャバクラや、舞妓・芸妓がいる座敷に連れていっていたという。昔から「女遊びは芸の肥やし」という言葉がある。実際に芝居では花魁や、それに交わる男性を演じるために、一流の茶屋で粋な遊びを学ぶことは大事な修業とされてきた。
さらに考えられる理由とすれば、地方での長期にわたる公演だ。京都など各地で芝居をすれば、ごひいきさんやタニマチができる。そうした関係者に顔を出しているうちに…というケースもあるだろう。他にも十分な養育費を出せるお金があったり、逆にそれを狙って近づく女性もいるかもしれない。挙げれば挙げるほど、梨園の常識は世間の非常識であることが浮かび上がってくる。かつては見過ごされてきた、こうした色恋沙汰にも厳しい目が注がれる時代になってしまった。