加害者であるAと被害者であるB君は互いに友人同士であり、高校卒業するまではごく普通の関係であり、恐ろしい殺人事件に発展するような関係性ではなかった。
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悲劇は事件発生の数か月前に遡る。Aはそこそこ勉強が出来た生徒で、第一志望は某国立大学に設定していた。しかし試験の結果、Aは第一志望の大学に落ちてしまう。だがAは周囲に「○○大学を受験する」と豪語しており、失敗した事を友人に話したくなかった。そのため、高校卒業までAは周囲に「○○大学に合格した」と嘘をつき続けていたのだ。
しかし、当然Aの嘘を見抜く友人もおり、そのうちの一人が後に被害者となるB君であった。
B君はAが普段の学力がそこまで高くない事、第一志望校に合格したはずなのに様子がおかしい事などから、B君は周囲に他の友人がいる前で「こいつは嘘つきや。国立大学に受かるはずないやないか」と指摘した。
図星を突かれたAは慌てて否定したが、恥をかかされたAは卒業式が終わった後、B君の家に電話をかけ、「卒業記念に深夜の学校に忍び込んでみないか?」と誘った。
AとB君は一緒に誰もいない深夜の母校に忍び込み、Aは誰もいない隙を見計らって、隠し持っていたハンマーでB君の頭を滅多打ちにして殺害してしまったのだ。
Aは当時の法律では未成年であり、罪に問えるかどうかは「責任能力があるか」が焦点となり、Aは受験疲れでややノイローゼ気味ではあったが、平成に入り「刑事責任は問える心神耗弱状態だった」として、懲役6年(求刑懲役10年)の実刑判決となった。