1985年(昭和60年)、長野県某市の高校に勤める生活指導担当の教師の自宅に不審な電話がかかってきた。その内容は「お前の通っている○○高校を爆破する」という物騒なものであった。驚いた教師はすぐに警察へ電話し、長野県警捜査一課が捜査することになった。
>>凶悪少年窃盗団のターゲットは……まさかの「ウーパールーパー」?【衝撃の未成年犯罪事件簿】<<
実は、不審電話の前後には教師の身の回りでおかしな事が相次いでいた。数日前には、生活指導相談室入り口のドアに「3日以内にこの部屋から出ていかないと破壊する」という英文タイプで書かれた警告文が貼り出されていたのだ。
ワープロで打ってあったため、犯人はわからず仕舞いであったが、「悪質なイタズラ」として朝礼で全校生徒に注意があったほどであった。
そして、事件は不審電話の数日後に発生した。深夜の生活指導相談室に何者かが侵入。部屋内に備えつけてあったプロパンガスの栓を開き、タイマーを使ったお手製の発火装置をセットし、ガス爆発を図った人物が逮捕されたのである。
捕まったのは、この高校に通う17歳の少年2名で、彼らは「あまりに厳しすぎる」生活指導教師を逆恨みにし、「先生を困らせてやろう」と指導教室の爆破計画を考えたという。
だが、高校生の作った発火装置は非常にお粗末な出来であり、爆破はせず多少のガス漏れだけで済んだが、2人は非現住建造物等放火未遂、ガス漏出などの疑いで逮捕されることになった。