朝4時ごろ、少年は金属バットを握りしめ父母の寝ている寝室へと向かい、母親の頭を思いきり殴った。母親が悲鳴を上げ、その声を聞いて起きた父親が「何をしているんだ!」と金属バットを取り上げた。
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少年は一旦自室に戻ると、あらかじめ用意していた包丁を持ち出し、追いかけてきた父親を廊下で刺し殺し、警察に電話しようとしていた母親も殺害した。さらに、騒ぎを聞きつけて起きてきた祖母も刺し殺し、自宅から逃走したという。
少年は幼い頃から両親から厳しく躾けられており、事件発生の前夜も成績が下がったこと、部活動を休んだことに対し、強く叱られておりノイローゼ気味だったようだ。
この事件が異質なのは、少年は自身が通う中学校の同級生に「殺人の協力」を依頼していたことである。
少年による殺人の計画は以前から考えられていたようで、友人二人に「親を殺そうと思う」「親を殺して金を奪うので協力して欲しい」と誘っていたという。最初は友人も冗談と思っていたが、事件の前の晩に「朝4時にやる(殺す)から来い」と電話があり、呼び出していたのだ。
「計画はどうやら本気らしい」と悟った友人たちは「そんな事よせよ」と止めに入ったが聞かず、少年たちは3人そろって裏口から自宅へ入っていったという。
怖くなってしまった友人たちは途中で逃げ出し、その後に少年による肉親殺害の悲劇が発生した。
なお友人たちは事件後、少年と近くの駐車場で会い、「両親と祖母を殺した」と告白され、死体もその目で見たという。友人たちは学校の教師に伝えるか昼休みまで迷ったが、最終的に少年が警察に発見され逮捕となったという。
肉親を次々に殺害するという一見、衝動的にも見える犯行だが、犯罪の計画を友人と相談するなど、昭和の終わり際の事件という事もあり、青少年犯罪の今後を考えさせる事件であった。